体の成長応じた練習が大切 室伏広治さん、環太平洋大で講演

環太平洋大陸上部員らと交流する室伏長官(手前右)

 2004年アテネ五輪陸上男子ハンマー投げ金メダリストでスポーツ庁長官の室伏広治さん(49)が22日、環太平洋大(岡山市東区瀬戸町観音寺)で「スポーツで夢を掴(つか)む」と題して講演。体の成長に応じた練習の大切さを訴えた。同大体育学部競技スポーツ科学科の今春設置を記念して招いた。

 室伏長官は、日本の中高生が抱える共通の問題として「周囲が結果を求めすぎ、過酷な練習で故障するケースが多い」と指摘。「年代に応じた無理のない練習で、息長くスポーツに親しめる環境をつくっていこう」と呼びかけた。

 同じハンマー投げ選手だった父・重信さん(78)の現役時代のエピソードも紹介。不調を脱するため1日12時間の猛練習をしたが戻らず、当時最先端の動作解析によってフォームを改善、克服したといい「正しい動きでなければ『練習は裏切る』。失敗を生かした父の指導のおかげで私は成長することができた」と振り返った。

 学生や創志学園高、光南高の生徒ら約300人が聴いた。講演後はウエートトレーニング室で陸上部員らと交流し、メンタル面の強化や効果的な練習方法に関する質問に応じた。

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