奈良県立工科大学計画地を学生寮に 奈良県が基本構想策定へ

奈良県は荒井正吾前知事時代に奈良県三宅町石見地区で計画していた県立工科大学予定地に学生寮を整備し、スタートアップ企業などと交流できる場所にする。2030年度の開設を目指し、2024年度中に基本構想を策定する。

奈良県によると、学生寮は「ヤング・イノベーション・レジデンス(仮称)」とし、高校生、高等専門学校生、短期大学生、大学生らの寄宿舎とする。寮生から起業してイノベーションを起こす人材が生まれることを目指している。

このため、スタートアップ企業など民間企業や教育機関、地元住民らの声を構想に反映させる計画。既に民間企業では日本生命、シャープ、大和ハウス工業、三井住友銀行、南都銀行など、教育機関では奈良教育大学、奈良女子大学、奈良先端科学技術大学院大学、奈良県立医科大学、奈良県立大学など、行政関係では財務省、経済産業省、川西町、田原本町、三宅町などが意見交換に参画することが決まっている。

三宅町石見地区では、荒井前知事が大和平野中央田園都市構想を掲げ、県立工科大学の設置を進めていた。奈良県庁内に大学設置準備室を設け、住民から用地を買収したが、2023年の知事選で山下真知事が荒井前知事らを破って当選すると、計画が撤回され、代わりに学生寮の整備案が浮上した。

参考:

【奈良県】ヤング・イノベーション・レジデンス(仮称)構想の進め方について

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