脱炭素社会へ連携協定 北電・北陸送配電・富山大

協定書を手にする(右から)松田社長、齋藤学長、棚田社長=富山大

 北陸電力と北陸電力送配電、富山大は22日、産学連携の推進に関する包括連携協定を締結した。共同研究や人材交流を通して、カーボンニュートラル(脱炭素)社会の実現と多様化する地域課題の解決に取り組む。

 北電はこれまでも富山大に先端電力システム共同研究講座を開設するなど産学連携を進めてきた。脱炭素化の推進を経営の柱に掲げており、今年2月、同大にカーボンニュートラル産業創生研究センターが設置されたのを機に、協定締結の話が具体化した。

 今回の協定には、カーボンニュートラル実現に向けたイノベーション創出、人材の相互交流、施設や設備の相互利用などを盛り込んだ。情報交換の場として検討会も設ける。取り組みの一例として、カーボンニュートラルに関する研究成果を防災面で活用することなどが考えられるという。

 調印式が22日、富山大五福キャンパスであり、齋藤滋学長、北電の松田光司社長、北陸送配電の棚田一也社長が協定書に署名した。齋藤学長は「カーボンニュートラルに関する産学連携がこれまで以上に強固になり、北陸の産業競争力向上に大いに貢献できる」と意義を強調した。松田社長は「互いの強みを有機的に結び付け、多様な課題に挑戦することで新たな価値が生まれる」と述べた。

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