西原小、心育む「一人一鉢」 緑化推進の取り組みに総理大臣表彰 熊本市東区 地域一体、学習と交流広げる

緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰を受けた西原小の6年生の緑化委員ら=17日、熊本市東区
「緑のカーテン」のネットを張る準備をする西原小の児童ら=8日

 熊本市東区の西原小が、2024年の緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰を受けた。地域住民と児童らが一体となって、継続的に取り組むさまざまな緑化活動が評価された。

 同小は1966年の開校時から、入学してきた児童が卒業するまでの間、一人一人に割り当てた一つの鉢でさまざまな花を栽培する「一人一鉢運動」を続けている。責任を持って緑に接する姿勢を、学びにつなげる狙いがある。

 月に2回、昼休みに全ての児童が参加する「グリーンタイム」では、自分の鉢に加えて花壇、学級園を手入れ。学校で植える花は、できる限り学級園で採取した種を使う「まごころ種まき」も進めており、植物の生態学習と、種のやりとりを通した学年を越えた交流につなげている。

 2010年からは、地域のボランティアと協力して、夏の日差しを遮る「緑のカーテン」を毎年校舎の壁に設置。今月上旬にあったカーテン設置に向けた準備では、児童と学校職員、住民らが協力して、3階建て校舎の南側にネットを張った。その後、ゴーヤーやヘチマの苗を植えており、教室で涼しく過ごせるよう工夫している。

 緑化活動を児童の学習と交流にも広げている西原小。首藤英紀校長(57)は「続けてきた卒業生や先生、地域の協力のおかげ。緑を大切にする気持ちを持ち続けてほしい」と話した。(九重陽平)

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