産山村広報誌で連載「こどもあるあるマンガ」好評です!! 作者は学童保育支援員 「ネタは尽きない」子どもとの日常 欄外の「ツッコミ」が定番

児童の宿題を見ながら談笑する学童保育支援員の大谷昌江さん=17日、産山村

 熊本県産山村の広報誌で連載中の「こどもあるあるマンガ」が好評だ。作者は村で学童保育支援員をしている大谷昌江さん(58)。「子どもからあふれ出る面白い言葉を忘れるのがもったいなくて、イラストで記録してきた。見た人に楽しんでもらえたらうれしい」と、かけがえのない子どもたちとの日々を描き続けている。

児童の宿題を見ながら談笑する学童保育支援員の大谷昌江さん=17日、産山村

 「わー、まさえさーん」。村の義務教育学校「産山学園」敷地内で学童保育の時間が始まると、低学年の子どもたちが大谷さんに駆け寄ってきた。勤務は週3~4日。子どもともみくちゃになって過ごす日々から作品が生まれる。

 大谷さんは石川県出身。東京外大卒業後、東京でお互い会社員として出会った真洋さん(59)と結婚。脱サラして夫婦でコンビニを経営した経験から、食や農業への関心が高まり、阿蘇市を経て1998年に産山村へ移住した。20年間は長女と長男の子育てに専念。知人に誘われて2018年に学童保育で働き始めた。

 村広報担当者に声をかけられ、連載が始まったのは20年6月。学童保育で接した子どもの言い間違いや大人びた言葉などを、マーカーを使って伸びやかな線と明るい色で描き、マンガに仕立てる。欄外に大谷さんから子どもへの「ツッコミ」を添えるのが定番だ。

本「学童ノススメ 天使たちの日常」の表紙

 村広報誌が配布されると「今月のマンガ、僕のことだよね」と喜ぶ声や「うちの子が幼い頃と一緒」と懐かしむ声など、幅広い年代から反響があるという。

 作品は出版社の絵本コンテストで大賞を受賞し、21年には本になった。昨年は、作品に目を留めた村診療所の医師の紹介で、熊本市の病院で初めて個展を開いた。「ネタは尽きない」と毎日のように新作を描き、交流サイト(SNS)で支援員仲間に披露する。

産山村の広報誌で連載中の「こどもあるあるマンガ」(大谷昌江さん提供)

 還暦が近づき「好きな絵をもっと描き、これからは自ら外へ出て発信する人生にしよう」と決めた大谷さん。2冊目の出版も目指すなど意欲的だ。(宮崎あずさ)

 ※本は「学童ノススメ 天使たちの日常」(文芸社)、本体価格1500円(税別)。

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