熊本・美里町が「5歳児健診」スタート 就学前に発達確認、早期支援も

美里町で始まった「5歳児健診」。小児科医(右)が身体の発達や会話の能力などを確認した=20日

 熊本県美里町は本年度から、町内の子どもを対象にした、小児科医らによる「5歳児健診」を始めた。小学校入学前に子どもの発達状況などを確かめ、必要な場合は適切な支援につなげる。

 母子保健法では1歳半と3歳児の乳幼児健診を義務付け。国は昨年度から、発達障害などへの早期対応につなげるため、ほかの年齢で健診を実施する自治体への財政支援を始めた。就学前まで、切れ目ない健診体制をつくる狙い。

 熊本県子ども未来課によると、県内での実施は昨年9月時点、南小国町や山江村など7町村のみ。子どもの発達を専門とする医師の確保が難しいという。

 美里町では本年度、約30人が受診予定。健診後は、4月開設の町こども家庭センターが相談に応じ、児童発達支援などにつなげる。

 初健診の20日は、同センターで2人が受診。小児科医が生活習慣や栄養状態、言葉の発達などを確認し、心理士が母親の悩みなどを聞き取りした。健診した小児科医の間部裕代さん(62)は「発達障害の発見だけではなく、就学前に日常生活を整え、困った時に子どもがSOSを発信できるよう寄り添いたい」と話した。(清島理紗)

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