鳥衝突防ぎ、より安全に 音で追い払う装置設置 鳥取空港

音で鳥を追い払う装置「バードソニック」の効果や運用方法を説明する辻特担教授(左)ら=22日、鳥取市の鳥取砂丘コナン空港

 航空機への鳥の衝突(バードストライク)による事故防止に、音で滑走路近くの鳥を追い払う装置「バードソニック」が鳥取砂丘コナン空港に設置され、装置の開発製造会社の担当者や研究者が22日、同空港で装置の仕組みや効果を説明した。同空港は「全国的な課題でもあり、素晴らしい効果を望む」と期待する。

 装置は滑走路の中でもバードストライクによる事故の危険性が高い着陸地点に並行する道路脇2カ所に設置された。約1.5メートルの高さからスズメやヒバリなどが嫌がる10キロ~15キロヘルツの高い周波数の音を発し、滑走路や周辺の草むらにこれらの鳥が居着くのを防ぐ。

 開発、製造したティ・エム・ワークス(山梨県富士河口湖町)と効果の検証などを行う岡山理科大学の辻維周特担教授によると、先行事例の石見空港(島根県益田市)などでは高い効果を発揮しているという。関西国際空港など全国で導入が進んでおり、鳥取空港は7番目となる。

 鳥取空港ではこれまで重大な事故につながった例はないが、過去10年でツバメなどによる160件のバードストライクが確認されている。空港を管理する鳥取空港ビルの川本良則専務は「これまで大きな実害はないが安全上の課題として悩まされており、軽減できれば素晴らしい取り組み」と話した。

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