ハウス食品グループ本社 CO2排出量削減 18拠点へ電力融通

ハウス食品グループ本社とJFEエンジニアリングは4月から「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」の運用を開始した。

ハウス食品静岡工場に大型のガスコージェネレーションシステムを新設し、同工場で発電した電力をハウス食品グループの国内関係会社・事業所8社18拠点に融通する。今回の取り組みにより、対象となる拠点のCO2排出量を2022年度比で16.3%、静岡工場のエネルギー使用量を2020年度比で21.5%削減できる見込みだ。

ハウス食品グループは企業として「社会への責任」を果たすため、循環型モデル構築を目指す「ハウス食品グループ長期環境戦略2050」を策定した。その重要課題の一つ「気候変動への対応」の主要な取り組みとしてJFEエンジニアリングとともに「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」の運用を開始した。

同サービスでは、JFEエンジニアリングがハウス食品静岡工場内に発電施設(ガスコージェネレーションシステム)を建設・運営し、電力と熱(蒸気、温水)を供給するサービスを提供する。発電した電力を静岡工場内で使用するほか、発電と同時に発生する副産物の熱を蒸気と温水に変換し、同工場の生産活動に有効利用。静岡工場の余剰電力とJFEエンジニアリンググループが保有する低CO2電力を、送電ネットワークを活用し、8社18拠点に供給する。

両社は5月15日、ハウス食品静岡工場で同サービスの運用開始記念式典を開催。ハウス食品グループ本社の浦上博史社長は「(2050年カーボンニュートラルなど)ハウス食品グループの環境目標達成に向けて、JFEエンジニアリングとの取り組みは必要不可欠かつ最も重要なものとなっている」と指摘。今後もJFEエンジニアリングとの連携を進める考えを示したうえで「次世代エネルギーの活用なども視野に入れながら、様々な取り組みにチャレンジしていきたい」と語った。

記念式典に合わせて開かれた記者発表にはハウス食品グループ本社から浦上社長、佐久間淳取締役コーポレートコミュニケーション本部長、JFEエンジニアリングから福田一美社長、松川裕二取締役専務執行役員が登壇。浦上社長が「ハウス食品グループ『社会への責任』の取り組みストーリー」について、佐久間氏が「ハウス食品グループ長期環境戦略2025を達成するための取り組み」について、松川氏が「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」について紹介した。

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