四日市キャンパス設置へ検討会 市と三重大、6月設置で合意

【記者会見する森市長(左)と伊藤学長=津市栗真町屋町の三重大学で】

 四日市市が進めているJR四日市駅前への大学設置構想で、同市の森智広市長と三重大学(津市)の伊藤正明学長は22日、同大学で記者会見し、市と三重大合同で「四日市キャンパス設置検討会」を6月中旬に設置することで合意したと発表した。市は同検討会で双方の意見を集約し、市内部の「大学基本計画策定委員会」での検討と併せて、四日市キャンパス設置に向けた具体的な検討を加速したい考え。

 検討会には、市側は副市長、大学側は理事を筆頭に、数人ずつのメンバーが参加し、本年度内に数回開催して方向性を示していく。

 森市長はこの日、三重大の「教育研究評議会」に出席。同評議会は三重大で新教育拠点設置の意思決定の第一段階となる機関。市長は正副学長や理事ら約40人を前に、JR四日市駅前への大学設置構想の進捗状況を説明し、三重大の新教育拠点を同駅前に設置してほしいとの思いを語った。

 同市と三重大は2月、「JR四日市駅前における三重大学新教育拠点の設置に向けた検討着手の連携協定」を締結し、検討を進めているが、三重大の進出はまだ決定していない。

 会見で、森市長は「評議会では新拠点設置の意思決定をできるだけ早期にとお願いした」とし、「目指すのは理工系学部の設置だが、大学全体で考えていただく案件で、全体のご理解を得る必要がある。地元企業から大学を望む声も増えてきており、検討会を設置できてうれしく思う」と述べた。

 さらに「四日市キャンパス設置に向け、三重大学中心に検討を進めていきたい。(同キャンパスへの)公立大学新設の方向性については24日の議員説明会でお示ししたい」と述べた。

 伊藤学長は「四日市はものづくり企業も近く、共同研究、大学院生の就職、インターンシップなどを進めやすい環境で、その地域に人材が必要であれば、そこに大学があるというのは重要」としつつ、「一方で(大学の)拠点はできるだけ1カ所に集中すべきとの考え方もあり、チャンスを広げて、拠点を増やすデメリットを凌駕(りょうが)するものにしなくてはいけない」と強調。

 その上で「どういうものができるかというものを持って意思決定しなくてはいけないので、先に検討会を設置した。(構想に)参画すると他大学と一緒に相乗効果を作れるということを目的に、内容を考えていく必要がある。すり合わせてより良いものにしていきたいし、取り組みが日本の一つのモデルになることを目指す」と語った。

 また、市は22日に第1回目の大学基本計画策定委員会を開催。同委員会で本年度、大学の設置主体や学部学科、規模などソフトとハードの両面で検討を重ねていく。

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