ホンダ鈴鹿、若手が成長 都市対抗野球東海2次予選、本戦目指し25日初戦

【川原嗣貴(右)と中川拓紀(ともにホンダ鈴鹿)】

 社会人野球の2大タイトルの1つ、都市対抗野球大会(7月開幕・東京ドーム)の東海地区2次予選は23日、愛知県岡崎市のレッドダイヤモンドスタジアムで開幕する。東海4県から14の企業・クラブチームが出場し、6つの出場枠を争う。2年ぶりの本戦進出を目指すホンダ鈴鹿(三重県鈴鹿市)は、25日予定の静岡硬式野球倶楽部との第1代表トーナメント1回戦から熱戦が始まる。就任3年目の久芳修平監督は「受け身にならず自分たちが目指してきた野球するだけ」と闘志を秘める。

 昨年は夏の都市対抗野球本戦に続き、秋の社会人野球日本選手権の出場も逃した試練の1年だった。同年10月のドラフト会議で、投手陣の柱の1人だった左腕・森田駿哉が巨人に指名されて退社したこともあり、投手陣の再構築と、得点力向上に力を入れた結果、チームの半数近くを占める入社1、2年目の若手が台頭してきた。

 投手陣では高卒2年目の川原嗣貴=大阪桐蔭高出=の成長が著しい。189センチの長身で、高校時代最速150キロを記録した本格派右腕。入社から約半年間、身体作りに専念した結果「直球の質が変わった」。久芳監督も「制球が良いので試合をつくれ(ピンチでは)ギアを上げて(打者を)抑えてくれる。森田の穴を埋めるところまで成長している」と太鼓判を押す。

 社会人の侍ジャパンでも活躍する、宇治山田商高出身で、大卒3年目の俊足遊撃手、中川拓紀=中大出=が1番に座る打線は、つなぎの打撃ができる大卒2年目の藤江亮太=亜細亜大出=らが頭角を現し、つながりが出てきた。四日市市出身の大卒ルーキーで、春先から中軸を任されている伊藤雄紀=名城大出=の思い切りの良い打撃も武器となりそうだ。

 若手の活躍は主力組にも刺激を与えている。大卒6年目の今季、キャプテンに就任した長野勇斗主将=青山学院大出=はオフシーズンに取り組んだ筋力トレーニングの成果もあり、本塁打をハイペースで量産中。三重高校(松阪市)時代も主将を務め、2014年夏の甲子園で県勢59年ぶりの決勝に導いた27歳は「仕上がりは悪くない。自分の活躍でチームを勝たせたい気持ちもあるし、チームが苦しい時一番声出しをしてチームを盛り上げたい」と話している。

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