特集は高校生が腕を振るった料理です。高校生の料理コンテストで全国1位に輝いたメニューを、考案した生徒2人が先日、長野市の飲食店で一日限定で提供しました。「サバ缶」を使った自慢の一品です。
カラッと揚がったサバの竜田揚げをごはんの上にそこに素揚げした野菜とピリ辛のソースをかけて、彩り豊かな「丼」が出来上がりました。
食べた人:
「サバも柔らかくておいしいし、上にかかっているソースもおいしい」
この丼を考案したのは千曲市の屋代南高校ライフデザイン科フードコースの竹内諒さん(18・長野市)と小山さくらさん(17・千曲市)。
実はこちら、コンテストで全国1位に輝いたメニュー。
5月3日、それを一日限定で一般客に食べてもらったのです。
屋代南高校・小山さくらさん:
「金賞いただいたメニューをお客さまに提供できたので、うれしい気持ちでできました」
屋代南高校・竹内諒さん:
「本当に必死に頑張っておいしく作るように頑張りました」
2人は2年生だった2023年10月、福井県で開かれた「全国高校生クッキングコンテスト」に出場。
課題は「サバの水煮」と「郷土の特産」を使った「幸福を呼ぶ丼ランチ」でした。
試作を重ねた2人はサバの水煮を竜田揚げにして香ばしさをプラス。
「体に優しい料理を」と県産の野菜やキノコもトッピングしました。
さらにデザートの水ようかんには千曲市特産のアンズを添えました。
結果は全国43チームの中で最高の「文部科学大臣賞」を受賞。味とアイデアが高く評価されました。
小山さくらさん:
「2人とも『えー』って感じで、びっくりしたんですけど、終わって、クラスの友達とかから『おめでとう』ってメッセージもらってから『優勝したな』って実感が湧いてきました」
竹内諒さん:
「やっぱり味が一番今回おいしいって言ってもらえたので、見た目とか盛り付け方もこだわったので、そういうところが一番良かったなと」
高校は毎年、銀座NAGANOで生徒が作った菓子などを販売するイベントを開催してきました。
今年は全国1位の記念に長野市内の飲食店を借りて一日限定でメニューをふるまうことにしました。
場所の提供で協力したシェフの宮原さん(22)も屋代南のOB。高校から打診を受け、後輩たちのためにと快く引き受けました。
金花猫シェフ(屋代南OB)・宮原優さん:
「自分も同じ大会に出て、3位だったんですよ。日本一取るのは難しいので、すごいなと。お店に入って中を見るというのが、一つ勉強になると思うし、将来につなげていただければいいなと」
考案した2人のほか、2・3年生22人も集まり、接客も含めて生徒が行います。
小山さくらさん:
「(レンコンの)枚数足りる?」
竹内諒さん:
「十分足りると思う」
コンテストと同様、小山さんは野菜のカットなどを、竹内さんは揚げ物を担当します。
「サバ缶」も大量にー。
メニューを一般の人に提供するのはこれが初めて。
小山さくらさん:
「正直不安しかないんですけど、頑張ります」
竹内諒さん:
「だいぶバタバタです。おいしく作ったレシピなので、おいしく食べてほしい」
「いらっしゃいませ」
午前11時にオープン。
保護者の他、SNSで知った客が次々とやってきました。
丼の名前は、フランス語で「元気ですか?」という意味の「Ca va?」。
生徒:
「お待たせしました」
感想はー。
長野市内から:
「賞を取ったやつなんですよね。食べられてうれしいし、よくここまでできるなと」
3年生の保護者・千曲市から:
「サバ缶揚げるというのが発想になかったので。発想もですけど、頑張って練習して作り上げていくのがすごい」
丼に添えられた冷や汁は「味変用」。県産のクルミや生徒が仕込んだ味噌が使われていて、これを丼にかけて味わいます。
会場に駆け付けた小山さんの両親はこの「味変」にびっくり。
小山さんの母・美恵さん:
「初めて食べたんですけど、サバ缶と思えないような味でおいしい。冷や汁かけて味変えたが、とにかくおいしくてびっくり」
父・幹人さん:
「高校生が考えたメニューとは考えられない、プロが考えたぐらいのメニュー。これだったら一番、間違いない」
母・美恵さん:
「おいしかった。ご苦労さま。頑張って、もうちょっと」
父・幹人さん:
「ぜひ次はうちで作ってください」
小山さくらさん:
「大会のメニューを食べてもらえてうれしい。大会頑張ってよかったなと思います」
丼は好評で用意した60食は3時間で完売しました。料理の世界を志す2人にとっては、今回、多くの人に食べてもらったことも貴重な経験になったようです。
屋代南高校3年・竹内諒さん:
「金賞をいただいて、そういうのもいかせる仕事がいいなと思って、料理の道を進もうかなと今は考えています。本当にこれからの人生、すごくいい経験になるなって思いました」
屋代南高校3年・小山さくらさん:
「おいしそうに食べてくれてるなという印象だったのでよかった。料理の技術だけじゃなくて、最後まで頑張れるようになったっていう、自分の成長も感じられたので、勉強してきたことを、進路にもたくさん生かせそうだなって」