環境相「関係修復に取り組む」 水俣病被害者の発言遮断で審議

参院環境委で答弁する伊藤環境相=23日午前

 参院環境委員会は23日、伊藤信太郎環境相との懇談で水俣病被害者らの発言が遮られた問題に関する集中審議を実施した。伊藤氏は発言遮断を「大変遺憾。大変申し訳ない」と改めて謝罪し、「損なわれた関係の修復に取り組む」と述べた。

 野党側は環境省の姿勢を追及。伊藤氏は「現行法でできることを最大限やっていく」と従来の答弁を繰り返した。

 また伊藤氏は、2015年に新潟県であった当時の望月義夫環境相と新潟水俣病の関係団体との懇談に関して、司会が会議の時間調整について発言したため、「打ち切りはおかしい」と抗議の声が上がり、追加の発言を受け入れたと明らかにした。

 今月31日の新潟水俣病の式典には政務官を派遣するとし、「別途、私自身がお話を聞くため調整している」と述べ、懇談の場を設けるとした。

 伊藤氏は「多くの方が健康被害に苦しんだ環境問題の原点。反省を踏まえ公害対策に取り組みたい」と声を詰まらせた。

 懇談は1日に熊本県水俣市で行われた。伊藤氏は8日、現地で被害者団体に謝罪。懇談の再開催に向けて調整している。

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