紅こうじ問題公表2カ月 県内被害疑い35件に 命に別状なし

 小林製薬(大阪市)が「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害問題を公表してから2カ月となった22日、県と宇都宮市が把握した健康被害の疑いのある事例が計35件となったことが分かった。厚生労働省に報告済みで、いずれも命に別条はないという。

 県は、県所管の保健所への相談や大阪市からの依頼を受け、これまでに50件の聞き取り調査を実施した。このうち20件に健康被害を訴える内容が含まれていた。宇都宮市も健康被害の疑いを計15件確認している。

 県と同市は「現時点で紅こうじとの因果関係は不明」としている。個人情報保護の観点などから詳しい症状や年代は公表していない。

 紅こうじを巡っては、小林製薬が3月22日、摂取した人に腎疾患などの症状が発生していると発表した。

 金谷ホテルベーカリー(日光市)が紅こうじ原料を使っていたパンを回収するなど影響は県内にも及んだ。学校給食や加工食品への問い合わせも寄せられ、小山市教育委員会や外池酒造店(益子町)などホームページで不使用を公表する動きも相次いだ。

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