警察官、無罪女性の自白強要否定 「誘導一切ない」、滋賀国賠訴訟

湖東記念病院の元看護助手が国と県に損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が開かれた大津地裁の法廷=23日午前(代表撮影)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者が死亡し、殺人罪に問われて服役した後、再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(44)が国と県に損害賠償を求めた訴訟の証人尋問が23日、大津地裁(池田聡介裁判長)で開かれた。取り調べを担当した県警の男性警察官が出廷し、「誘導などは一切ありません」と述べ、自白の強要を否定した。

 訴状などによると、県警は、軽度の知的障害がある西山さんの迎合的な態度や取調官への恋愛感情を利用して虚偽の自白を誘導したと主張。検察側も県警の不当捜査を見過ごして起訴したとしている。

 西山さんは04年に逮捕され、07年に懲役12年の実刑判決が確定。20年に再審無罪が確定した。

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