技術革新の要素にあふれた中国・ロシア博覧会 黒竜江省

技術革新の要素にあふれた中国・ロシア博覧会 黒竜江省

19日、第8回中国・ロシア博覧会に出展された車。(ハルビン=新華社記者/唐鉄富)

 【新華社ハルビン5月23日】中国黒竜江省ハルビン市で21日まで6日間開かれた第8回中国・ロシア博覧会には、国有企業や民間大手企業、越境電子商取引(EC)企業など2千社以上が参加し、会場の随所に技術革新の要素を展示した。

 同省の国有農業企業、北大荒農墾集団のブースでは「新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の実践地を作る」と書かれたスローガンが目を引いた。スクリーンの前でスタッフが紹介していたデジタル農業の実践状況を見ると、各パラメータの情報を一目で把握することができた。

 同集団の傘下企業、北大荒信息の単翠栄(ぜん・すいえい)プロジェクトマネジャーは「開墾地区4600万ムー(約3万700平方キロ)、区画22万カ所、農家56万戸、農機具62万台の情報をデジタル化した」と説明。土地の画像と地力を分析して土地ごとの「健康状態」を把握し、正確な作業を実現していると語った。

技術革新の要素にあふれた中国・ロシア博覧会 黒竜江省

20日、第8回中国・ロシア博覧会に出展された除草耕運機。(ハルビン=新華社記者/徐凱鑫)

 スマート農業システムは作物の生育時期ごとの重要データを記録し、生長モデルの基礎を築くことができる。データは毎年蓄積され、徐々にデータ資産が形成される。

 河北省張家口市の機械メーカー、河北宣工機械発展は博覧会に今年初出展し、耕運機やスマート除草耕運機などを展示。除草耕運機は全長約7メートルで、除草歯の液圧駆動・制御システムのほか、苗帯のスマート識別システムを備え、除草効率を向上させるとともに作物へのダメージを減らし、正常な生長を守ることができるという。

 博覧会では農業分野のほか、医療や新エネルギーなどの分野でも技術革新の成果が紹介された。

技術革新の要素にあふれた中国・ロシア博覧会 黒竜江省

20日、第8回中国・ロシア博覧会に出展された腹腔鏡手術ロボット。(ハルビン=新華社記者/徐凱鑫)

 ハルビン展示エリアでは、先進的な腹腔鏡手術ロボットが注目を集めた。ハルビン思哲睿智能医療設備が研究開発し、技術障壁を乗り越えることで輸入品から国産品への代替を実現した。

 同社のブーススタッフによると、ロボットは操作する医師にオープン3Dの高精細な視野を提供。医師の姿勢を制限せず、使い易く、術中の疲労を軽減できるという。

 会場では、展示されたハイブリッドキャンピングカーについて質問する国内外のバイヤーの姿も多く見られた。出展した企業の担当者は「昨年ラインオフした最新モデルで、新エネルギーハイブリッド技術によりガソリンを20~25%節約できる。今年は2500台の生産を予定している」と語った。プラグインハイブリッド技術は省エネで環境に優しいだけでなく、必要に応じてバッテリー充電することで車両動力の持続可能性を高め、走行距離の不安を軽減できるという。同担当者は、キャンピングカーは欧州での需要が高いとし、博覧会を通じてより広い市場を開拓したいと語った。(記者/強勇、劉赫垚、唐鉄富)

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