莫大な宣伝費投入で「ラストウォー」収益急成長 かまいたちやYouTuber起用の広告で「詐欺じゃない」アピール

香港のパブリッシャーが運営するスマートフォン向けカジュアルゲーム「ラストウォー:サバイバル」について、積極的に広告展開を行ったことで日本国内での収益が急増しているという。

【画像】「2,000万人が熱狂中」「ラストウォーは詐欺じゃない」著名人起用したCM・広告関連推移

「ラストウォー:サバイバル」は、2023年8月にリリースされたハイブリッドカジュアルタイトル。押し寄せるゾンビの大群に立ち向かいながらクエストに挑んで戦い抜くサバイバルゲームとしてプレイヤー数は2,000万を超える(公式値)。

Sensor Tower社が5月に更新した発表によると、2024年初頭に同作の日本における収益が急増したと報告しており、2024年第1四半期(1月~3月)の国内モバイルゲーム収益では、ハイブリッドカジュアルジャンル(※)から唯一、8位にランクインした。

国内での成長要因としては積極的な広告展開が背景にあるといい、本年1月のFacebookへの広告投入費において、同タイトルのパブリッシャーであるFirstFunが2位になっていた(Pathmatics調べ)ほか、インストール経路の60%がTikTokとFacebookで出稿された広告によるものとしている。

著名人起用で盛り上げ図る

同タイトルの広告を巡っては広告内容と実際のプレイ内容に一部相違が見られているとして、「詐欺」などと揶揄されるような意見も寄せられていた。

直近ではタレントを起用した広告キャンペーンを多数展開するなど新しい動きも見られており、お笑い芸人からは「かまいたち」とのタイアップCMが話題になったほか、YouTuberとしてはチャンネル登録者が100万人を超える「マックスむらい」「MasuoTV」の2名を起用。特に、マックスむらい氏のCMでは「ラストウォーは詐欺じゃない」と前出の口コミを踏襲したような内容にもなっており、こちらもまた注目を集めていた。

収益面でも話題性でも成長を見せている同タイトルだが、全世界売上の内訳では日本は韓国、アメリカに次ぐ3位、割合としては7%程度と存在感は大きいものではない。しかしながら、国内のハイブリッドカジュアルジャンルでは「ダダサバイバー」に次ぐ2位、次点の「スライム伝説」とは6倍以上の差を有するなど、国内でも人気タイトルの地位を築きつつある。

※ハイブリッドカジュアルゲーム…シンプルなカジュアルゲームと長期間遊べるオンラインゲームの要素を融合させた新たなゲームジャンルで、課金と広告収益の両方から収益を得られる特性が存在する。

© 合同会社サブカル通信社