チーフスHCリードが今オフシーズンに選手が関与した複数の問題について言及

カンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リード【AP Photo/Godofredo A. Vasquez】

カンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードが現地22日(水)、今オフシーズンにチームの選手たちが関与した複数のフィールド外の問題に言及した。

キャリア2年目のワイドレシーバー(WR)ラシー・ライスは1カ月ほど前にダラスの高速道路でスピード違反を犯し、スポーツカーを運転していたもう1人のドライバーと共に6台の車を巻き込む事故を起こしたとして、加重暴行などの罪に問われている。ライスはダラスのナイトクラブで発生した暴行事件への関与も疑われていると報じられていたが、警察は火曜日にライスがこの事件で起訴されることはないと発表した。

他にも、チーフスのオフェンシブタックル(OT)であるワーニャ・モリスとチュクウェンブカ・ジェイソン・ゴドリックが先週木曜日に軽罪のマリフアナ所持容疑で逮捕され、金曜日に釈放されている。

水曜日にチーフスのOTA(チーム合同練習)でメディアに対応した際に、選手たちがチーム施設の外でも賢明な判断を下せるようにどのような措置を講じているのかと問われたリードHCは、次のように答えた。

「もちろん、彼らとは連絡を取り続けているし、彼らが帰る前にコミュニケーションをとって、自分のやるべきことをやるように伝えることはできる。こういうことが起こる時はあるし、その後に乗り越えていかなければならない」

ライスは現在、チーフスのオフシーズンワークアウトプログラムに参加している。チーフスは今週からOTAを開始した。クオーターバック(QB)パトリック・マホームズは水曜日、現時点で重要なのはライスに“失敗から学ぶ方法”を教えることだと話している。

マホームズは報道陣に対して「明らかに大きな失敗だったけど、そこから学んで二度と同じことが起こらないようにして、自分のためだけじゃなくて周りの人たちのためにも、社会で最高の人間になれるようにできる限りのことをやらなきゃいけない」とコメント。

「彼はそうしていると思う。今ただ、彼が素晴らしいフットボール選手になれるように、正しい道を進ませるためにできることを何でもやろうとしている状態だけど、彼にはもちろん、素晴らしい人間にもなってもらいたいと思っている」

今月、カンザス州にあるカトリック系私立リベラルアーツ校であるベネディクティン・カレッジの卒業式でスピーチを行ったチーフスのキッカー(K)ハリソン・バッカーは、学位を取得した女性のほとんどはキャリアを追求するよりも結婚して子どもを持つことを楽しみにしているはずだと発言し、全米のニュースで取り上げられた。保守的なカトリック教徒であることを公言しているバッカーは、LGBTQ+の権利運動にとって特に重要な時期であるプライド月間や、中絶の権利を擁護するジョー・バイデン大統領のスタンスも非難した。

NFLは先週、バッカーの発言と距離を置く姿勢を示し、NFLの上級副社長兼、多様性および包括性推進担当のジョナサン・ビーンは声明で、バッカーの「見解は組織としてのNFLの見解とは異なる」と述べている。

水曜日、春季リーグミーティングを締めくくる記者会見でバッカーについて質問されたNFLコミッショナーのロジャー・グッデルは、次のように発言した。

「私たちは3,000人以上の選手を抱えている。リーグのあちこちに幹部がいる。アメリカがそうであるように、彼らは多様な意見や考えを持っている。私たちはそれを大切にしている。それは最終的に私たちの社会をより良くする要素だが、先週に発表した声明で述べたことがすべてだ」

リードHCは水曜日に報道陣に対し、2017年からチーフスでプレーしているバッカーと、卒業式での発言については話していないと明かした。

「いいか、私はいつもハリソンと話しているが、この件については話していないし、その必要はないと思っていた」と述べたリードHCは「私たちは人生の縮図なのだ。出身地も宗教も人種も、みんな違う。だから、私たちは何とかうまくやって、お互いの意見を尊重し、必ずしもその意見に従うとは限らないが、みんなが意見を持つことを尊重している。それがアメリカの素晴らしいところだし、私たちは単純に、さっきも言ったように、その縮図なのだ。私の願いはみんながそれに従ってくれることだ」と続けている。

マホームズもまた、バッカーのスピーチに対する反応について質問された。

それに対してマホームズは「なんというかまあ・・・俺はハリソンのことを知っている」と返答。

「彼とは知り合って7年だ。俺は彼が毎日見せている人柄で判断しているし、彼は良いヤツだ。周りの人たちや家族を大切にし、社会に良い影響を与えたいと思っている人だ。ロッカールームには、いろんな生き方をしてきた人が集まっている。全員が何事に対してもさまざまな意見を持っていて、いつも意見が一致するわけではない。彼が言ったことの中には、必ずしも賛成できない部分もあるけど、俺は彼という人間を理解しているし、彼は人々を正しい方向に導くためにできることを何でもしようとしている」

「それは俺と同じ価値観ではないかもしれないけど、それと同時に、俺は彼が毎日見せている人柄で判断するつもりだし、彼は素晴らしい人間だ。俺たちはこれからも前進し続け、日々より良くなれるよう、お互いを高め合っていくつもりだ。でも、結局のところ、俺たちはチームとして団結する。それが助けになると思うし、建物の外で気を散らせてくるものも排除できると思う」

バッカーの発言のどの部分に賛成できないのかについて明言を避けたマホームズは、こう語った。

「ある人たちが他の人たちよりも強調する価値観というのはあると思うし、必ずしも賛成できなかった部分はある。でも同時に、それで彼を判断するつもりはない。毎日の行動で判断する。スピーチの全部の内容に触れるつもりはないけど、俺は彼がどんな人か知っている。まずはそれを見るようにして、他のことはそれ自身に任せるつもりだ」

【RA】

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