長渕剛が5月22日、渋谷タワーレコードCUTUP STUDIOで約７年ぶりとなるニューアルバム『BLOOD』の発売記念イベントを開催した。このイベントには“長渕剛の仲間”300人が訪れ、長渕の熱いトークと歌唱に酔いしれ歌い合った。
“仲間”300名の激しい剛コールの中、登場した長渕。MCの橋口秀一から、まず心配された体調の状態を聞かれ長渕が「大丈夫ですね」の答え、会場の“仲間”は大喝采！ どんな思いでこのアルバム『BLOOD』を作ったのかの問いに「僕が皆に寄り添うって感じよりも、45年間ファンがずっと寄り添ってくれているという‥その一点でいつもいつもアルバムを作らしてもらってます」と答える。さらに「とんぼ」のFIRST TAKEでの、およそ６分間の熱い語りについて聞かれ「僕はあまりしゃべろうと思わなかったのよ、だけどFIRST TAKEのスタッフがすごく若くて、皆が何回も足繫く通っていただいて‥なんかさ、モノ作りの現場がメチャクチャ熱いのよ‥でさ、しまいに『語ってください』って言うから、じゃあ自分の人生をちょっと振り返ってみる感じで良い？って聞いたら『良いです』っていう訳、じゃあぶっつけ本番でよろしくお願いします！ってなって。僕はあの熱い人間たちの想いに対して『よ～し、じゃあやってやるぞ！一緒に作ろうな』って、そういう意志で非常に幸せな現場でしたね」と振り返った。
アルバム『BLOOD』の収録曲に『赤』という文字が多く使われていることを聞かれ「今回書き集めた10曲たちというのは、自分で作って、それを聞いたときに優しい気持ちになりたかったんですよ‥とにかく優しい気持ちになりたかった。僕はファンのことを“仲間”って呼んでます、振り返ってみると自分は仲間たちに支えられて生きてきたなって凄く強く感じる、年々感じます。僕の大切な仲間たち、ファンも含めてですけど、そばにいる仲間たちっていうのは10人もいないんですけど、すごく濃い人間たちが何人かいます‥じゃあその仲間とか友達って何かっていうと、苦しいとき、絶望の淵にたたされた時に『がっと掴む』利害関係ない、銭金じゃない。僕もそういう仲間たちが幾人かいるんですよ‥そういう仲間たちに恩を返したくて、それで『BLOOD』を書きあげたんだよ！ 『BLOOD』を書きあげた瞬間に、夜中の２時か３時だったんですけど『おい！』ってそれぞれに電話して『曲書いたから今すぐ集まってくれよ』って言ったらさ、集まる訳よ(笑) 俺の事務所に久しぶりに集まったのよ、それで弾き語りで『BLOOD』を聴かせたの、そうしたら皆がさ涙流すわけ、仕舞いには俺も涙流しちゃったの‥そんなものをアルバムの最後に入れたいなっていうのが正直な話ですね」
また、時代の変化や音楽の変化について聞かれ「この10年20年大きく変わりましたよね、当然戸惑いもあったし、ツール自体も変わっていったし、音楽に対する歌詞とかリアクションが変わっていったなって感じましたけども、僕は信じて疑わないのが、どのような場合でも、時代が変わろうとも音楽っていうのは『人間と人間の心をつなぐこと』です。だから銭金も大事かもしれないけど、やっぱ『歌を歌う‥歌い合う』で、僕がとにかく一生懸命歌を書いたその作品に対してみんながそれぞれの心を寄せて一緒に歌い合う！ そのことが全てで、どんな時代になろうとも音楽は僕らにとって本当に大事な掛買いのない絆を醸し出してくれるモノであると、そこを信じないとやって行けないよね！ その絆を確かめ合うのがツアーであり、こういったレセプションだったりだと思いますね」
６月からのライブツアーに向けてのコンディションを聞かれ「ばっちりですね」と答えると会場から大きな拍手が沸き起こった。
さらに続けて「気胸っていうのは初めてだったんですけど、まぁ肺に穴があきますね、それで、どういう入院生活かって言いますと、鼻に高濃度の酸素をつけて、絶対安静を強いられる訳、絶対安静って俺、一番強敵なのね(笑)。さらに、人差し指に酸素濃度を感知する器具がワイヤレスでナースステーションとつながってる訳だから寝てるしかないよね‥ それで三日目、痛みも和らいできて、大げさに報道されたんだけど、そうでもないのにと思いながら、ちょっと起き上がってさ、もう足がイライラするわけ、で、ゆっくりバレないようにスクワットして、30回目あたりに看護師さんドォーンと来て『どうかされましたかぁ～』って‥これですって言ったら『ダメでしょう』って(笑) そんな有様で４～５日入院して、退院してからリハビリってより、即ジムに行ってトレーニングやり始めたんで、結果大丈夫なんで、もう今はリハーサルに突入してガンガンやってますから」と、体調も気力も万全だと仲間に報告した。
ライブツアーは６月から大阪城ホールを皮切りに開始される。
■セットリスト
１、黒いマントと真っ赤なリンゴ
２、かましたれ！
３、とんぼ
４、BLOOD
アンコール、乾杯
