ソニーG、IPなどの買収を積極検討 1.8兆円の枠内で=社長

Ritsuko Shimizu

[東京 23日 ロイター] - ソニーグループの十時裕樹社長は23日の経営方針説明会で、優良なIP(知的財産)などのアセットの買収には興味があり、積極的に検討していく考えを示した。ただ、3年間で1.8兆円という戦略投資枠内で考えていく方針も同時に明らかにした。

同社の買収検討が伝えられる米メディア大手パラマウント・グローバルについて、十時社長は「特定の報道にはコメントしづらい」とし、一般論としたうえで、ソニーはクリエイティブシフトしており「優良なIP、ライブラリ、音楽のカタログというアセットには興味がある。投資とリターンがわれわれの尺度に合えば、いろいろな機会は積極的に検討していくのがスタンス」と述べた。

吉田憲一郎CEO(最高経営責任者)も「AIが普及し始めている時だからこそ、誰もが知っているようなIPや音楽にしっかりと投資をすることが、最終的にはこの会社の価値を上げることになる」とした。

同社は、24年度からの3カ年で機動的な自社株買いを含めて1.8兆円(金融を除く)の戦略投資を計画している。優良な案件が出てきた時にこの枠をはみ出して買収に動く可能性について、十時社長は「あまり考えていない。3年間で適切な規模で良い機会を見出してやっていきたい」とした。

同社は、前中計の戦略的投資1.3兆円のうち60%をエンターテイメントに振り向けた。吉田CEOは、足元の状況について、これまでの投資を「活用していく、しっかりとリターンを出していくフェーズになった」と指摘した。

ソニーは、今中計で、投資と株主還元のバランスを取っていく方針を示している。

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