日本シヤッター・ドア協会、国家資格の技能検定の試験機関に前倒しで申請

(一社)日本シヤッター・ドア協会が国家資格の技能検定制度へ向け1年前倒しで取り組みを進める。23年度の協会資格検定の実績を踏まえ、24年度中に申請を行う。

(一社)日本シヤッター・ドア協会が総会後記者会見で、2023年度の取り組みと足元の状況について報告した。23年度の出荷量は、シャッターが前年度から10.5%減少、ドアが前年度から2.7%増加。建築着工や住宅着工の減速傾向が影響し、シャッターはこれまでの底堅い動きから一転、弱含みとなった。

重点的に取り組む業界の課題としては、①防火設備の定期点検検査報告制度の適切な実施などストック対策の推進、②シャッター施工者の確保、育成に向けた資格制度の導入、③浸水防止用設備など防災減災に寄与する製品の普及、を挙げた。

①のストック対策の推進では、22年度から23年度にかけて国と日本防災建築協会が検討会を実施し、定期報告制度の在り方を見直してきた。例えば、これまで目視での検査としていた常時閉鎖式防火扉の作動状況などについて、カメラやセンサーの利用が可能となる予定だ。そうした改定内容の会員への周知を図る。

②については、国家資格である技能検定制度の導入を目指す。23年度から協会資格の「シャッター施工技能者資格認定制度」を開始しており、366名が受験、162名が合格した。24年度は、この実績を基に技能検定の指定試験機関となるべく申請手続きを進め、25年度から技能検定を実施できるよう調整を行うとした。昨年の予定では協会資格試験を2年間実施したうえで、指定試験期間の申請に移行する予定であったが、試験者実績や試験内容を踏まえた厚生労働省との協議の結果、前倒しで取り組みが進められているという。なお、国家資格に移行した際には受験者数1000名を目標に掲げる。

また、③については、浸水防止用設備建具型の技術標準について、設計、施工、点検にわたる基準を設ける。

【事業活動について説明。左から青木徹 専務理事、潮崎敏彦 会長、髙山盟司 副会長】

住宅用窓シャッターのJIS、内容固まる

制定に向け解説部分の調整を進める

同協会は(一社)日本サッシ協会とともに、20年度から住宅用窓シャッターの日本産業規格(JIS)制定へ向けた取り組みを進めている。近年の大型台風による住宅被害の大きさを考慮して耐飛来物性能などを盛り込む予定であるが、進捗状況については「23年度末に経済産業省に設置されている、日本産業標準調査会の審議会による審査を受け、基本的に内容については了解を得た。今後、審議会から追記の要望を受けた解説部分について調整を行っていく」(青木徹専務理事)と、準備が大詰めになっていることを明かした。

また、オーバヘッドドアのJIS改定に向け、原案作成委員会で検討を進めるとした。

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