次期衆院選、野党第1党はどっち?主要野党の議席数予測を松田氏が解説!選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年5月18日に公開された動画のテーマは「6月解散で立憲・維新のどっちが野党第一党に?」

6月に解散、衆院総選挙が行われたら野党の議席数はどうなる?立憲、維新の野党第1党の争いは?日本共産党の選挙協力は?選挙プランナーの松田馨さんによる最新の議席数予測を、丁寧な解説でお楽しみください。

【このトピックのポイント】

  • 立憲民主党は好調。野党第1党の座を確固たるものにするには?
  • 日本維新の会は苦戦。何が問題?
  • 共産・田村委員長の初陣は?国民、社民、教育は?

立憲民主党は上昇傾向。180〜190議席獲得を目指すには

各政党の議席数予測は、3月時点に松田氏が予想した数字から「支持率が変わり、相当動いている状況」です。

まずは立憲民主党。3月の時点の予測でも107議席(+11)でしたが、仮に6月に自民党が信頼回復できず、支持率が低いままで解散に踏み切ったら、立憲の議席数は+30〜40が見えてくると思う、と松田氏は予測します。

松田馨氏「比例の投票先でも支持を集めていたし、島根1区での共産党との共闘も非常に効果的。全国で候補者調整などをしていけば、ほかの野党に競り勝つ小選挙区も出てくると思います」

松田氏が以前から注目している、選挙ドットコムとJX通信社が5月11〜12日に実施した、選挙ドットコムリサーチ「比例投票先」の政党においても、立憲民主党は電話調査で27.3%(+6.1)と、自民党に約10ポイントの差をつけました。

松田氏「まさかの……あんなに差がつくとは」

MC鈴木邦和「(27%で)立憲民主党は1位でしたね」

松田氏は、立憲と維新の野党第1党の争いについては、「維新の勢いが落ちていない(3月の)状況でも、もともと野党第1党は立憲民主党」と評価します。

松田氏「日本維新の会は小選挙区で勝てていない。衆議院は289の小選挙区と176の比例でできている。比例で議席を取れたとしても、小選挙区で議席を取れなければ勝てない」

対して立憲民主党は、民主党の流れがあって、小選挙区で競り勝てるベテランが多数在籍している点に強みがあると指摘します。

松田氏「立憲の比例議席が50を超える。私が予測した時点から+10、40とか50とか、一気に議席数が増えるかたちですよね」

先日、当チャンネルに出演した立憲民主党・泉代表は、解散総選挙に向けて200人以上候補者を擁立していくと語っていました。

MC鈴木邦和「候補者を増やすことで、見込みの議席が増えてくる?」

松田氏は、「候補者を立てないと番狂わせも起こりようがない」と、候補者を多数立てていくのが、立憲民主党が取るべきオプションだとコメントしました。

一方、松田氏は、立憲の躍進にも不安があると指摘します。

現在、報道は自民党や岸田政権を叩くモードですが、立憲にも刑事告発された事案があると指摘。立候補者が急増することでのリスクを懸念します。

松田氏「急増して数が増えると、何かしらの違反や問題発言が見られる。勢いがあるから勝てると思って乗っかってくる人は、ちゃんといろいろ検査をしないとリスクになりかねない」

今でこそ自民党批判の声が強いマスコミも、対抗勢力が台頭してくれば、そちらを批判することも考えられると松田氏。加えてネット上で、立憲民主党の発言や世襲の問題に「ブーメランだ」という批判が見られることも紹介します。

立憲民主党が多数議席を取って、いよいよ政権交代が起きるかもしれないとなると、とたんに世間の見方が厳しくなるだろうと、松田氏は予測します。立憲民主党は、果たして耐えられるのでしょうか?

松田氏「今、立憲民主党が、次、政権運営をする準備をしているとは思えない。自民がひどすぎて議席を増やしたとしても、地獄が待っている」

松田氏は、ただ、議席を増やすのではなく、政権を本気で取りに行く準備はできているのかと問います。

松田氏「政権選択の選挙となった時の、立憲民主党のメッセージがしっかり作れていて、さらに期待を集めることになれば、本当に議席数が180〜190というところまで見えてくる可能性がある」

松田氏はここまで言い切った後、「でも地雷が埋まっているように見える」とつぶやきました。楽観的にはいかないようです。

MC鈴木「補選を経てさらに支持率を伸ばした立憲民主党。補選の結果は政党への期待感に影響が出ていますか?」

松田氏は、選挙に勝つと「バンドワゴン効果のようなものを含め」支持率は上がると紹介します。

その上で、今回の衆院補選を振り返ると……

松田氏「島根は完勝でしたが、東京15区で当選した酒井さんの得票率は29%と低かった。候補者が多数乱立したとはいえ……この時点で立憲民主党が本当に選ばれているかというとそうでもない」

松田氏は、「立憲民主党が今後もしっかりとした野党第1党、政権交代を狙う党としての信頼感を醸成していくことができるかが大きな課題。それがはまれば、無党派層の受け皿としてブーストする可能性があるでしょう」とまとめました。

日本維新の会は比例でマイナス。課題は?

続いては日本維新の会。3月の予測では57議席(+16)でしたが、この数値は確実に下回り、50をも下回るかもしれないとコメントします。

なお、松田氏がこの予想を立てた2月下旬は、比例投票先の野党第1党は維新で、政党支持率も立憲とさほど差がありませんでした。

松田氏「万博の問題、さまざまな不祥事、選挙で負け続けている……苦しい状態。やっぱりねえ、東京が足を引っ張るんですよ。東京15区で3位だもんね……」

日本維新の会の獲得議席数を「現有の41議席に近いか、少し増やせるかといったところ」と予測。立憲との差がさらに広がると見立てます。ただし、「立憲にブーメランが刺さるようなことがあれば、相対的に上がる可能性もあるだろう」との注釈も付けます。

具体的には、関西では地盤がゆるがないとし、数字を落とすのは比例の議席と予測します。

維新が厳しい理由として、党の方針の甘さを指摘します。

松田氏「野党第1党になるのか、自民党の過半数を割るのか、方針が中途半端なんです。どっちやねんって」

MC鈴木「矛盾しているんですね」

松田氏「自民党の批判をしながら野党第1党を狙えばいいと思うんですけどね。戦略的にはわかりにくくなっている可能性があるのかな」

共産・田村委員長は初の衆院選。国民、社民、教育はどうなる?

続いて国民民主党は10議席(-1)。マイナスは前原氏が抜けた分です。国民民主党の議席は動かないとの予想です。

MC鈴木「国民民主党は選挙にお強いかたが残っていますよね」

前回の衆院選と参院選の数字を見ても、労働組合などの支持があること、玉木代表らがネットで継続的に発信を続けていることで、選挙ドットコムリサーチでも一定支持を獲得し続けている国民民主党は、大きく崩れることはなさそうです。

懸念点は、東京15区などで推薦候補が負けたことにある、と指摘する松田氏。

松田氏「もともと日本の政治で是々非々のスタンスで与党に対峙する政党は、なかなか支持を集めにくい。わかりやすく批判をしているほうが野党として支持を得られやすい。対決より解決を一定評価する人がいる一方で、なかなかブレークスルーできないという課題があります」

続いては日本共産党です。

MC鈴木「議席が動かない予測ですが、これも変わらない?」

ここで松田氏は、立憲民主党と共産党の選挙協力に言及します。

松田氏「自公の連立は、すごくよくできている。小選挙区(自民)と比例(公明)でうまく住み分けている。いわば小選挙区比例代表並立制をハックしている。立憲と共産はそこまでの選挙協力はできない」

松田氏は、「立憲で『比例は共産党へ』って言う人いないでしょ」と問いかけます。

松田氏は、「(立憲は)共産党にも共産党支持者に対してもだいぶ失礼」「政党同士の関係として、政策協定なども含めてやるべき、ちゃんと話すべき」と、立憲民主党の態度を批判します。

「立憲共産党」などと言われたこともある両党ですが、松田氏は、安全保障、とくに外交安全保障に関する考え方や、憲法、天皇制……国体に対する考え方が違いすぎるため、完全に組むことはできないと指摘します。

松田氏「共産党と組むことで減る票もある。批判を受けることを気にする人もいるだろう。そして連合の存在もある」

次の総選挙は、2024年1月にトップに就任した共産・田村新委員長にとって、最初の衆院選になります。

松田氏「負けられない。共産党、ここ数年は苦しい時代が続いた。今後の共産党がどうなっていくのか。若手の優秀な議員が増える一方、支持者の高齢化が進む。ポジション含めて苦しい状態。新しい委員長、女性初の委員長の初の衆院選。共産党支持者が納得できる形で立憲民主党と組めれば、もう少し議席が増えると思う」

立憲に配慮して、ただ小選挙区で候補者を下げてしまえば比例の票も得られにくくなります。結果、「どんどん共産党はじり貧になる」と松田氏は警告します。立憲とどう組んでいくのかが、共産党にとって大きな課題になります。

社会民主党の1議席は、現職の新垣クニオ氏(沖縄2区)。

教育無償化を実現する会は前原誠司氏の1議席。教育無償化を実現する会単独での予想とのことですが、

松田氏「総選挙、単独で勝負することはないだろう。何かしら決断をするでしょう。しかし、前原さんが小選挙区で落選するのは、今のところ想像できない」

動画本編はこちら!

次期衆院選、主要野党の議席数を選挙プランナー松田氏が詳細解説!

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