仏LVMH、アリババとの提携強化 中国での存在感拡大狙う

Mimosa Spencer

[22日 ロイター] - フランスの高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は中国電子商取引(eコマース)大手アリババ・グループとの提携を深め、アリババのクラウドと人工知能(AI)機能を活用して中国における存在感を高める計画だ。両社が22日発表した。

両社は2019年に初めて提携を結んだ。

中国は不動産危機や若者の失業によって需要が減退しており、高級ブランド各社は中国消費者への対応に力を入れている。各社はまた、洗練を極める実店舗に投資する一方で、オンライン販売の改善に注力しており、LVMHとアリババの提携強化はそうした流れの一環。

アリババは現在、国内市場でeコマースを含む中核事業への集中を進めている。同社は競合する京東商城(JDドット・コム)と同様、PDDホールディングスや字節跳動(バイトダンス)が運営する低価格で値引き重視のeコマースサイトとの競争に直面している。

LVMHのマネジングディレクター、ステファン・ビアンキ氏は提携強化について、実店舗とオンライン販売の双方で多様な販売経路を設ける「オムニチャネル」事業の伸びを加速させるとの期待感を示した。

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