LNGの世界的需要増をアジア新興国がけん引=シェル幹部

Emily Chow

[パース(オーストラリア) 22日 ロイター] - シェル・オーストラリアのセシール・ウェイク会長は22日、アジアの新興市場国が液化天然ガス(LNG)の世界的な需要増をけん引するとの見通しを示し、シェルはオーストラリア産LNGの供給によってこうした需要増に対応すると述べた。エネルギー関連のイベントの傍ら行ったロイターの取材での発言。

アジア市場では先週、LNG現物価格が1月以来の高値を付けた。アジア地域全体で気温が上昇し、LNGの需要が高まったため。

ウェイク氏は脱炭素化の動きなどがLNG需要の伸びを支えると予想。需要の伸びが見込まれる重要な市場としてフィリピン、タイ、ベトナム、バングラデシュを挙げた。

また「南アジアおよび東南アジアに潜在的な需要があることが読み取れる」と述べ、世界のLNG市場は今年「きっちりと(需給が)均衡している」と付け加えた。

シェルがオーストラリア市場に深く関与しているのはLNGの需要に関する社内での分析によると説明。「われわれは対アジア市場で競争力があると考えている。供給面での立ち位置を保ち、LNG資産において高い稼働率と信頼性を確保することが重要だ」と述べ、大型FLNG(洋上液化・貯蔵・出荷設備)のプレリュードの操業停止期間が明けたことに安心感を示した。

© ロイター