シリコンスタジオ、Unreal Engine用プラグインツールを提供開始。産業分野のCG制作で高品質なレンズ効果を表現

シリコンスタジオ株式会社は、自動車・建築・映像をはじめとした産業分野でのCG制作において高品質なレンズ効果を表現できるUnreal Engine用プラグインツール「YEBIS Biz」を2024年夏より提供開始予定であることを発表した。

デジタルツインやメタバースによる3Dビジュアライゼーション、映像作品の制作など、産業分野における3Dモデルを活用したコンテンツ制作において、ゲームエンジンが使われるケースが増えているという。

同社でも産業分野での課題解決ソリューションとしてゲームエンジンによる3Dコンテンツを数多く手掛けてきており、最近は「カメラ映像さながらのエモーショナルな演出を幅広く表現し、ワンランク上の映像に仕上げたい」という声がクライアントからも聞かれるようになったという。

このたび同社では、こうしたニーズに応え、Windows版Unreal Engine用プラグイン形式のポストエフェクトツール「YEBIS Biz」を提供することになった。

YEBIS Bizは、米Epic Games社のゲームエンジン「Unreal Engine」で3Dコンテンツを制作する際に、最終レンダリング直前のポストプロセスでフォトリアルなレンズ表現を追加し、その効果をリアルタイムで確認できるソフトウェアだ。

YEBIS Bizによるレンズ表現効果の例1(導入前)※画像をクリックして拡大
YEBIS Bizによるレンズ表現効果の例1(導入後)※画像をクリックして拡大
YEBIS Bizによるレンズ表現効果の例2(導入前)※画像をクリックして拡大
YEBIS Bizによるレンズ表現効果の例2(導入後)※画像をクリックして拡大

コンピューターグラフィックスに対し、カメラの絞りやレンズ特性を反映した被写界深度、ボケ味、レンズフレアなど、正確で高品質な光学表現を付与できるという。自動車や住宅・不動産の販売促進ツール、ドライビングシミュレーター、映画やアニメーションなど、さまざまなリアルタイム映像コンテンツ制作シーンでの活用を想定しており、CGのプロフェッショナルによるコンサルティングサービスも提供予定だ。

「YEBIS」は2006年に最初のバージョンを発表して以来、最新プラットフォームや技術に対応したバージョンアップを重ね続けてきた。日本国内のみならず世界中で数多くのAAAゲームタイトルや映像コンテンツに採用されている。

同社は、ゲーム・エンターテインメント業界で培ってきた技術の結集であるYEBISの導入障壁をできるだけ低くすることで、自動車・建築・映像をはじめとした産業分野においても、高品質で豊富な光学エフェクトに定評のあるYEBISの利用を促進したい考えだ。

YEBIS Bizの活用により、カメラでの撮影による映像制作と同様の作り込みアプローチでレンズ表現の幅が広がることにより、産業分野でのCG映像コンテンツ全体のクオリティが引き上げられることを期待しているという。

YEBISによるレンズ表現効果の例(被写界深度)※画像をクリックして拡大
YEBISによるレンズ表現効果の例(レンズフレア)※画像をクリックして拡大

なお、同社では2024年6月19日(水)から6月21日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催される「ものづくりワールド内 設計・製造ソリューション展」にブース出展し、このカメラ映像さながらのレンズ表現を追加できる「YEBIS Biz」を紹介する予定だという。

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