袴田事件再審5月22日結審① 袴田さんの無実を信じ続ける人たち

いわゆる袴田事件の再審やり直し裁判はこれまでの14回の審理を経て5月22日結審を迎えます。袴田さんの無実を信じ続ける人たちを取材しました

袴田ひで子さん:
「57年の年月って、そんな長いとか短いとかってを感じなかった。全然ね、見えないものと闘っているっていうかね、そういう感じだった。いずれにしてもゴールが近いからね。ゴールが見えてきているってことだけは確か」

1966年、旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害された事件。元プロボクサーで、当時30歳の袴田巌さんが逮捕され、1980年に死刑が確定しました。袴田さんはこれまでずっと、「無実」を訴え、再審・裁判のやり直しを求めてきました。そして2023年3月。

伊地健治アナウンサー:
「再審開始!再審です。東京高裁は袴田事件の再審開始を認めました」

掲げられた「再審開始」の文字。重い扉がようやく開きました。

姉のひで子さんと暮らす穏やか日々。袴田さんは48年にも及んだ長い拘置所生活や「死刑への恐怖」による拘禁反応で、今も現実と妄想が入り混じった世界にいます。

袴田家に3カ月ほど前に2匹の猫がやってきました。メスのルビーとオスの殿です。保護猫を引き取ったのです。巌さんは猫を弱愛しているといいます。

新たな家族が増えたことで、巌さんに少しだけ変化があったと、ひで子さんは言います。

ひで子さん:
「あの言葉が多くなったね。今までほとんど話なんてしないけど、猫が腹すかしているで、ごはんくれてやってくれとかね」

袴田さんは午後3時前に自宅を出ます。支援者の車で日課の”ドライブ”です。

この日はJR浜松駅の近くを2時間ほど散策しました。時折立ち止まっては、お土産を買ったり、カフェに入ってお茶をしたり。自由に見えますが未だ死刑囚です。

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