オフシーズンの減量で“より機敏になる”ことを目指すレイブンズQBジャクソン

ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソン【AP Photo/Matt Slocum】

リーグで最もダイナミックなクオーターバック(QB)はその脚力を活かして、今シーズンにはさらに大きな脅威となるだろうか?

ボルティモア・レイブンズのQBラマー・ジャクソンはそう考えており、今週のOTA(チーム合同練習)に明らかにスリムになって登場したのもその理由だ。

ジャクソンは現地22日(水)に記者団に対してこう語っている。

「もっと機敏に、もっと素早く動ける。今は最高の調子だ」

ジャクソンは現在の体重が“200ポンド(約90kg)台”だと話したが、正確な数字は明言しなかった。目標体重について尋ねられたジャクソンは「230ポンド(約104kg)弱かな」と返答している。『Complex Sports(コンプレックス・スポーツ)』が先週投稿した動画の中で、ジャクソンは2022年に230ポンド、2023年に215ポンド(約98kg)、そして現在は205ポンド(約93kg)まで減量していると明かした。

ジャクソンはキャリア2回目のMVPに輝いた昨シーズンにキャリア最高の3,678パスヤード、821ランヤードをマーク。また、合計タッチダウン29回(パス24回、ラッシング5回)を記録し、昨季にキャリア2回目のオールプロのファーストチームの栄誉に輝いた。

レイブンズのヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは水曜日にジャクソンの減量について、次のように述べた

。「ラマーはプロだ。彼は自分が何をしているのか、どうなりたいのかを分かっている。私が心配しているのは、彼が体型を整えていること——彼の人生で最高の体型——であり、それに向けてフットボール面での準備や、それに付随するすべての細部に取り組んでいることだ」

ジャクソンはポケット内が厳しい状況になった時にスクランブルを仕掛け、試合を左右するプレーに変える能力で相手ディフェンスの頭痛の種となってきた。昨季にジャクソンのパスゲームが大幅に改善されたことにより、ジャクソンの脅威はさらに増しており、攻撃コーディネーター(OC)トッド・モンケンの指揮の下で2年目を迎える今季、ジャクソンのパフォーマンスはさらに向上していくだろう。

ジャクソンは「彼(モンケンOC)がどのようにプレーコールをして、俺たちに何を期待しているのか、そういうことすべてにだいぶ慣れてきた。でも、今シーズンは素晴らしい状況に持っていけるように、自分たちのすべきことに取り組むのが楽しみだ」とコメント。

レイブンズが今オフシーズンにランニングバック(RB)デリック・ヘンリーを獲得したことで、2019年にフルタイムの先発になって以来、すべてのシーズンでラッシングヤードでレイブンズをリードしてきたジャクソンの負担が軽減されるはずだ。しかし、ジャクソンが即興で繰り出す、足を使った背筋が凍るようなプレーが今後も必要とされるのは間違いなく、27歳のジャクソンはそうした時が来たときのために準備を進めている。

レイブンズは昨シーズン、ジャクソンがMVPを獲得するほどの活躍を見せたことで、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の第1シードを獲得。しかし、AFCチャンピオンシップゲームでは最終的にスーパーボウル王者となったカンザスシティ・チーフスに敗れ、レイブンズは1月のホームでの敗戦がずっと尾を引いていた。

ジャクソンはこうつけ加えている。

「それがオフシーズン中の俺たちのモチベーションをずっと高めていると思う。世間はまだその話をしているし、俺たち選手もまだその話をしている。あと一歩のところで悔しい思いをしたのは確かだ。そこにたどり着くために必死に頑張ってきたのに、自分たちがやりたかったことができなかった。間違いなく、その事実が俺たちを駆り立てているね」

レイブンズがリベンジを果たすのに、そう長く待つ必要はないだろう。2024年シーズンの開幕戦でチーフスと再び対戦する予定だからだ。素晴らしいクオーターバックとしてレイブンズを次のステージに導くために、ジャクソンはフィジカル面の準備を進めている。

【KO】

© NFLJapan.com