産学官でおさんぽマップ 健康寿命の延長めざす 八王子市

制作された八王子おさんぽマップ「はちあるき」

運動初心者や普段歩く習慣のない人などに役立ててもらおうと、市は楽しみながら散歩ができる市内3つのモデルコースを紹介するマップ「はちあるき」を杏林大学や明治安田生命保険らと連携して作成した。市民の健康寿命を延ばす取り組みの一環で、5月19日に東京たま未来メッセで開催した「2024健康フェスタ・食育フェスタ」で初披露した。

八王子おさんぽマップ「はちあるき」は、A5版カラーの20ページの冊子。歩道が整備された街中を歩きながら伝統文化を感じられる「八王子北口周遊コース」、八王子駅南口から西八王子駅までの街並みと食べ歩きが楽しめる「西八王子満喫コース」、四季折々の風景や映えスポットなどに出会える「南大沢自然散策コース」が、写真やイラストとともに紹介されている。市は440万円の費用をかけて5万部を作成。保健所や市民部の各事務所、市民センターなどで配布する。

2年かけ提案

マップの制作は2022年、23年に開催された大学コンソーシアム八王子の学生発表会で、同大の半田英俊ゼミが奨励賞を受賞した発表がきっかけとなった。高齢化が進む中で「平均寿命と健康寿命のギャップを埋めるためには継続的な運動習慣が重要」という考えからウォーキングマップの作成を提案。1年目は高齢者を想定して休憩や水分補給がしやすいコースを作成したが、健康寿命を伸ばすには若いうちから歩く習慣をつける必要があると考え、2年目は「映える」写真を撮ることができる若者向けのコースを追加した。

楽しく健康に

この提案に市民の健康増進を推進する市や、「みんなの健活」「地元の元気」を二大プロジェクトに掲げる明治安田生命保険相互会社と明治安田生命厚生事業団が賛同。ミーティングを重ねて大学生、行政、企業それぞれの視点からアイデアを出し合い、半年ほどでマップを完成させた。ゼミ長の花村南帆さんは「マップを参考にひとり歩きはもちろん、友人や家族などと活用してもらえれば。歩きながら自分なりのルートを付け足すなど多種多様な楽しみ方を見つけてほしい」と冊子の巻末で述べている。

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