デジタル写真集発売、番組でマッチング成功…アンゴラ村長は女芸人の枠を超越する存在!

アンゴラ村長

“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、7年前に大ブレークし、一度“馬鹿売れ”したが、最近は活動の方向が変わってきた女芸人を紹介する――。

もう7年前になりますが、2017年のキングオブコントで最も印象に残るネタを披露して準優勝になったのがにゃんこスターでした。このコンビが最近、また変わった活動になっています。アンゴラ村長は、デジタル写真集の販売を開始しました。

先日、父娘漫才コンビ「完熟フレッシュ」の池田レイラさんも週刊プレイボーイでグラビアを披露したりデジタル写真集を出すなど話題になった中、その直後にアンゴラ村長もデジタル写真集を発売。これは偶然なのでしょうか?

元々アンゴラ村長と池田レイラさんは仲が良く、ティックトックで共演している印象があります。ともに男女コンビで所属事務所も同じワタナベエンターテインメント。また、にゃんこスターが漫才協会に19年に入会すると、2年後の21年には完熟フレッシュも入会した。共通点がかなり多いコンビなんです。

アンゴラ村長についてはみなさん、縄跳びの印象が強いかもしれませんが、芸人の中ではお笑いに対してストイックというイメージがあります。最近でもいろいろな芸人とツーマンライブを立て続けに行い、ネタを磨いている印象もありました。彼女の動き方は次々と話題を呼び、私も芸人として尊敬しております。

スタートは「キングオブコント2017」の準優勝ではありますが、そもそもにゃんこスターを結成したのが17年4月なので、スピード出世の典型のような形で世に羽ばたきました。

キングオブコントで披露した縄跳びのネタは極端にボケ数が少ないネタで、笑いどころは「そこ、跳ばんのかい!」といった古典的なボケを数回やるだけ。それなのにとても面白かった。にゃんこスターがやると、なぜかとても新しいネタに見える。そのように見せる演出がすごいのです。

キングオブコントで話題になった直後に相方のスーパー3助との熱愛がネットニュースで話題になりました。さらにテレビ番組で大御所漫才師の宮川花子師匠にかみついた動画が切り抜きで拡散してしまい、“とがりすぎてる女芸人”という印象が一気に広まったこともありました。

20年にはスーパー3助と破局したことがまたネットニュースになると、アンゴラ村長のフォロワーが急増。その結果、SNSでの活動が目立つようになりました。破局のタイミングで始めたユーチューブで破局の話をして注目されるなど、「ピンチをチャンスに変えることがうまい芸人」という印象もあります。

ティックトックで縄跳びの動画をアップするとこれがバズり、ダンスの動画もバズり、前述した池田レイラさんとコラボでもバズった。いろいろな有名人と縄跳びのネタコラボして再現したりと、ネタ1本に対する経済効果はかなり高いようでした。

20年にはTBS系のバラエティー番組「林先生の初耳学」で、“女性芸人が本気でマッチングアプリをしたら恋人を作れるのか”という検証にチャレンジし、地上波の番組で実際にマッチング。その番組をたまたま見ていた私は驚いて、トークライブに出てもらって話を聞いた覚えもあります。結局はすぐに破局となりましたが。

この頃から、お笑い芸人としてのストイックな面ばかりではなく、表現者として飛躍した気がします。もちろんお笑いライブの活動も一切手を抜かず、新ネタを磨いてキングオブコントの優勝を目指している。

アンゴラ村長のすごいところは、恋愛番組に出ても悲惨な結果にならないところ。昨年も、ABEMAの「恋するアテンダー」という恋愛番組でカップル成立しました。

1人の参加者としてカップルが成立してしまうのも、デジタル写真集の発売も、今までの女芸人がたどってきた道とは違う方向で活躍されている。“にゃんこスターのアンゴラ村長”という殻を破り、ピンでの活躍も目覚ましい。今後の動きに注目せざるを得ない。そんな存在だと思います。

☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。

© 株式会社東京スポーツ新聞社