犬の肉球ケアを放置するとどうなる?お手入れの必要性や美しさを保つ秘訣まで

犬の肉球ケアを放置するとどうなる?

愛犬の肉球ケアを意識したことがあるでしょうか。もしくは「うちは放置で大丈夫♪」という方も。肉球ケアを放置してしまうと皮膚トラブルが起きやすいタイプの犬もいれば、肉球ケアを放置していても健康的な皮膚を維持できるタイプの犬もいるのではないでしょうか。

普段、どのような環境で生活しているのか、どのような場所をお散歩しているのか、皮膚にトラブルが起きやすい体質なのか、ということが関係するのではないかと考えることができます。

実は、犬の肉球は部位ごとに名前があります。

地面に接する部分の肉球には、「指球(しきゅう)」「掌球(しょうきゅう、前足)」「足底球(そくていきゅう、後ろ足)」があり、地面に接することのない部分の肉球を「手根球(しゅこんきゅう)」と言います。

愛犬の手根球と他の部分とを、触って比べてみてください。地面に接する部分の肉球は硬く、手根球はフニフニとやわらかいのではないでしょうか。地面に接するかどうかの違いでしょう。

つまり、肉球トラブルが起きやすいのは地面に接する部分の肉球であり、肉球ケアが必要になるのもこの部分です。

犬の肉球のお手入れの必要性

犬の肉球に弾力があるのは、体重を支えたり、衝撃を受け止めたり、クッションのような働きをするためです。

犬の肉球の表面がザラザラとしているのは、猛ダッシュから急ブレーキをかけるとき、急旋回をするときなど、グリップのような働きをするためです。

犬の肉球には様々な働きがあり、日々、ダメージを負っています。たとえ重度なトラブルが起きていないとした場合でも、肉球ケアが必要とされるのはこのためです。

肉球ケアは、傷ついた皮膚の健康状態を回復させるためのケアでもあるのです。

お散歩の時間が長く頻度が多い

毎日、朝と夕のお散歩を欠かさず、30分~1時間ほど歩く場合、肉球ケアの必要性は高いと言えます。

肉球ケアをすることで、お散歩中に肉球が傷つくことを防ぐ、ということが主な目的です。お散歩後だけではなく、お散歩前にも肉球ケアをしておくとよいと思います。

アスファルトの上を歩くことが多い

一年を通して、アスファルトの上を歩くことが多い場合、肉球ケアの必要性は高いと言えます。

冬のアスファルトでは、犬の肉球がしもやけになってしまうことがあります。夏のアスファルトでは、犬の肉球が火傷を負ってしまうことがあります。軽度であると気づきにくいものです。

毎日の小さなダメージが重度な症状となって現れることがないようにすることが、肉球ケアをすることの主な目的です。

お散歩の度に手足や肉球を洗っている

お散歩の度に手足や肉球を洗っている場合、肉球ケアの必要性は非常に高いと言えます。

水洗いをした後、皮膚や被毛が湿ったままでいると、細菌が繁殖します。犬の皮膚にいる常在菌も繁殖します。過剰に繁殖すると悪さをし、皮膚病の原因になります。

ぬるま湯洗いやシャンプー洗いをすると、犬の皮膚は乾燥しやすいです。乾燥による痒みや痛みから犬が手足や肉球を舐めすぎてしまい、皮膚病の原因になります。

皮膚病を引き起こさないようにすることが、肉球ケアの主な目的です。

犬の肉球の美しさを保つ秘訣

では、犬の肉球の美しさを保つ秘訣には、どのようなポイントがあるのでしょうか。

湿ったままにしない

雨上がりのお散歩の後、タオルで拭くだけでお手入れを終えていませんか?

ドライヤーを使ってしっかり乾かし、細菌の過剰繁殖を防ぎましょう。

乾かした後は必ず保湿をする

水分が蒸発するとき、手足や肉球の皮膚の水分も蒸発し、乾燥の原因になります。

仕上げには、犬用の保湿剤でケアしましょう。

ストレスケアをする

ストレスがあると、犬が肉球を舐め続けてしまうことがあります。皮膚トラブルを起こしやすく、治りにくいのが特徴です。

「ダメ!」「舐めないで!」「やめなさい!」と叱ると、さらにストレスは強くなり、お留守番中や飼い主の見えないところで肉球を舐めるようになってしまいます。

『肉球の美しさにはストレスも関係する』ということを知っておくだけで、日々のケアに変化があるのではないでしょうか。

まとめ

肉球ケアとして、犬に靴下や靴を履かせている飼い主もいらっしゃると思います。

我が家のポメラニアンの場合では、手足の裏や肉球の間の長く伸びた被毛を放置しています。被毛が肉球を覆うため、お散歩中も守られており、12歳のシニアでもやわらかく健康な肉球を維持しています。

手足の裏や肉球の間の被毛は、犬が歩くときに滑りやすくなるため、カットされている犬がほとんどですよね。滑りやすいことへの対策は必須になりますが、肉球が守られていることも事実です。

肉球ケアの方法は様々にありますし、飼い主によって考え方も違います。愛犬の肉球の健康状態をよく把握し、どんなケアや必要なのかを考え、適切にお手入れできればよいのではないでしょうか。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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