エコワークス、首都圏へ進出 第一号物件が完成

エコワークス(福岡県福岡市、小山貴史社長)は、首都圏での住宅事業を本格化させる。第一号物件も完成し、今秋には横浜市青葉区にモデルハウスをオープンさせる予定だ。

エコワークスは、福岡、熊本、佐賀などで住宅事業を展開している。全国的に見ても先進的な取り組みを進めている工務店だ。特に脱炭素の分野では、ZEH比率が97%に達しているほか、LCCM住宅の提案も積極的に進めている。また、いち早く省エネ性能ラベルの全棟表示に踏み切るなど、住宅業界全体でも先駆的な存在として注目を集めている。

同社では、SNSなどを活用した営業活動にも注力しているが、九州だけでなく首都圏のフォロワーも多いという。そのため、首都圏の消費者からの問い合わせも多いが、基本的には断ってきたという。

しかし、熱心な消費者の中には「どうしてもエコワークスにお願いしたい」という施主も多く、今回、神奈川県横浜市で首都圏では第一号となる物件を手掛けた。

施主との打ち合わせは、基本的にはオンラインで行い、施工は神奈川県の協力業者に依頼。工事管理については、Webカメラを用いて福岡の本社から行った。加えて、第三者検査機関による品質検査も実施。

完成した建物は、ZEH水準を余裕でクリアする高性能住宅に仕上がっており、6.8kWの太陽光発電も搭載している。木質感溢れる内外装デザインも特徴のひとつで、施主からも高い評価を得ているという。

首都圏での第一号物件の省エネ性能ラベル。第三者評価によって高い性能を備えていることが確認されている

神奈川、東京、埼玉で住宅事業を展開

今回の第一号物件の完成を契機として、今後は神奈川、東京、埼玉(一部を除く)での住宅事業を展開していく方針だ。

今秋には横浜市青葉区にモデルハウスもオープンさせる。施工については、既にそれぞれの地域で地元工務店と連携していくことが決定している。

また、使用する木材については、第一号物件では九州産の木材を利用したが、今後は静岡県の天竜材を活用していく方針だ。調達先も既に確保済みだという。

同社の小山社長は、「(首都圏においても)九州での実績を活かしながら、LCCMレベルの住宅を提供し、次世代の子供達のために脱炭素化に貢献していきたい」と語る。

その一方で、完成した第一号物件では、高度斜線規制が厳しい地域であったため、LCCM住宅の基準をクリアするだけの太陽光発電を搭載することができなかった。こうした首都圏ならではの問題などにも配慮しながらも、トップクラスの高性能住宅を首都圏でも販売していく方針だ。

「首都圏でも脱炭素化に貢献する住宅を提供していきたい」と話すエコワークスの小山社長

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