【日本ダービー/全頭診断】人気一角の皐月賞組に“100%データ” 馬券妙味は「1.2.1.3」の想定10人気以下

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今週は東京競馬場で、第91回日本ダービー(東京優駿/GI、芝2400m)が行われる。世代の頂点を決める戦いに18頭の精鋭がエントリー。今年はジャスティンミラノが無敗の二冠馬に挑む。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。

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■日本ダービー(東京優駿)2024 出走予定馬全頭診断

・1枠1番 サンライズアース

2戦2勝で臨んだ前走皐月賞。GIのペースについていけず、上位馬と明確な差をつけられた一戦だった。少頭数でしか前に行けない現状。関東遠征で大幅馬体減の前走からのリカバリーも含めて厳しい印象だ。

・1枠2番 レガレイラ

アイビーSとホープフルS。この2戦のパフォーマンスから、現状は外差しが決まりやすい開催後半の馬場コンディションが合っている印象を受ける。テンにいけない脚質も依然として改善されておらず、危険な香りもするが……今回は東京芝GIで目下6戦連続馬券内のC.ルメールへのスイッチ。たとえ評価を下げたとしても無印にはできない。そんな1頭だ。

・2枠3番 ジューンテイク

前走京都新聞杯で重賞初勝利。8番人気の低評価を覆す好走だったが、終始インを通り、直線でも最内を選択した鞍上の好騎乗が光った。今回は2月から数えて4戦目と使い詰めでの参戦。大幅な上積みを望むのは酷で、ここでの苦戦は免れられないか。

・2枠4番 ビザンチンドリーム

スタートで遅れるのはもはやデフォルト。それでも切れ味を発揮してきたが、超高速馬場の前走はさすがに厳しかった。2勝を挙げた際に負かした相手は決して強くなく、テンにいけないのは致命的。上位進出へのハードルは高い。

・3枠5番 ダノンデサイル

皐月賞は無念の競走除外。京成杯で中山適性を示していただけに、陣営としてもやりきれない想いがあったはずだ。その京成杯を振り返ると、京都2歳Sとは異なり道中4-5番手と前々で運んでの勝利。レガレイラなど自身より内に差し追込馬がズラリと並んだシチュエーションを考えたとき、3枠5番はインの好位から運べる”最高の枠”と言えるだろう。エピファネイア産駒の3歳馬は東京芝2400mのGIで【1.2.1.3】。ノーマーク禁物の穴馬候補だ。

・3枠6番 コスモキュランダ

中山で連続好走中の馬。レコード決着の前走皐月賞は2着と、高速馬場にも対応してみせた。J.モレイラから乗り替わること、デビュー戦の東京芝が惨敗だったこと、クラシック戦線で尻すぼみ傾向にあるマイネル系列の馬であることから人気の盲点が予想されるが、そういった先入観を取り除けばジャスティンミラノとタイム差なし、ジャンタルマンタルに先着という事実が残る。2走前にこの馬を勝利に導いたM.デムーロが鞍上なら乗り替わりの影響は少ないだろうし、うかつに評価を下げすぎないようにしたい。

・4枠7番 ミスタージーティー

ブリンカー着用で臨んだ前走皐月賞。結果を見るとその効果はあまりなく、シンプルに力負けの印象を受けた。兄姉が本格化したのは3歳秋以降。馬がパンとするのは今年の秋以降だろう。ここでは強調しづらい。

・4枠8番 アーバンシック

前走皐月賞は勝ち馬と0秒4差の4着。明らかに小回りコースが向かないタイプであることを考えると大健闘と言えるレース運びだ。ラスト3Fが11秒7-11秒5-11秒3と加速ラップを刻んで突き抜けた百日草特別は強い内容。ここもノーマークにはできない。

・5枠9番 ダノンエアズロック

東京芝は【3.0.0.0】と負け知らず。前走プリンシパルSはゴール前で流していたように、余裕残しでダービーに進めたのは陣営の青写真通りといったところか。ただ、当時負かしたのはオープンクラスで勝ち馬と離される競馬だった馬や未勝利を勝ち上がった馬ばかり。ラスト3Fが11秒0-11秒5-11秒7と減速ラップを刻んだ点もマイナス材料で、J.モレイラ騎乗と舞台適性をもってしても連続好走へのハードルは高そうだ。

・5枠10番 サンライズジパング

前走皐月賞は9着。ダートや道悪での勝利実績から高速馬場はマッチしないのだろう。今週末の東京は良馬場想定。再び高速馬場になる可能性は高く、一変を望むのは酷に映る。

・6枠11番 シュガークン

キタサンブラックの弟という良血馬。3連勝でダービー出走をはたしており、直近の勢いには目を見張るものがある。ただ、前走は2着馬とタイム差なしの辛勝。見た目も数字もインパクトがなく、皐月賞組に割って入るのは困難か。

・6枠12番 シックスペンス

デビューから無傷の3連勝でスプリングSを勝利。当然皐月賞に向かうものと思われたが、アクシデントの影響でぶっつけでのダービー参戦を余儀なくされた。過去10年の日本ダービーにおいて、前走が3月中旬以前のレースだった馬は【0.0.0.4】。同馬と同じく無敗で臨んだダノンプレミアム、C.ルメール騎乗のワーケアも掲示板外に敗れており、厳しい印象は否めない。ただ、ある程度ここで善戦したうえでセントライト記念に出てきたら”タダもらい”級だと思う。

・7枠13番 シンエンペラー

この馬で注目したいのは新馬戦。東京芝1800mデビューといきなり関東圏への輸送競馬だったが、上がり3F33秒8の脚で快勝を収めた。ディープブリランテ、コントレイル、リスグラシューなど3歳GIで活躍した矢作厩舎所属馬は2歳秋に東京芝の勝利実績あり。もう少し内めの枠が良かったのが本音だが、1コーナーまでに好位のインを確保できれば面白い存在だ。

・7枠14番 ゴンバデカーブース

かつては“マツクニローテ”の影響もあり、好成績が目立っていたNHKマイルC→日本ダービーのローテーション。ただ、過去10年に限定するとそのローテーションで臨んだ馬は【0.0.0.16】と不振を極めている。この背景として考えられるのが、レースごとの消耗が激しい近代競馬の傾向。この馬自身、休み明けでしか使われたことがなく不安のほうが先走ってしまう。

・7枠15番 ジャスティンミラノ

この馬の前走には驚かされた。新馬戦、共同通信杯と超スローの上がり勝負を制したが、皐月賞は1000m通過57秒5の超ハイペース。それでも先行力は変わらず、4角4番手から勝ち切ることに成功した。過去10年の皐月賞において、秋の東京芝勝利実績がある皐月賞2着内馬の成績【3.5.1.0】。上がり3F32秒6の共同通信杯を見るより切れ味勝負の東京替わりは大歓迎で、大崩れは考えにくい。

・8枠16番 メイショウタバル

1000m通過57秒5の猛ラップで逃げた前走。鞍上もコントロールしきれないようなところがあり、現状は気性面に課題がある1頭だ。今回は当時からさらなる距離延長に加えて、スタンド前発走の東京芝2400mが舞台。次走で想定される距離短縮時が狙い目とみる。

・8枠17番 ショウナンラプンタ

青葉賞2着でダービー出走が叶った馬。終いの切れ味は世代上位だが、関東遠征の前走はマイナス10キロと大幅に馬体重を減らしていた。関西馬にとって短期間の関東圏輸送は楽ではない。皐月賞組と比較した際の上積みには疑問が残る。

・8枠18番 エコロヴァルツ

7着に敗れた前走皐月賞。上がり3F最速の脚は立派も、関東圏への輸送で馬体重マイナス10キロは気がかりだ。高速馬場ではテンにいけない現状。2走前の東京芝は5着に敗れており、上位進出は厳しいものになりそうだ。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年5月23日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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