水道橋博士 664ページにわたるタレント本の書評大全「本業2024」を刊行

水道橋博士

お笑いタレント・水道橋博士が24日、書評大全「本業2024」(青志社)を刊行する。タレント本83冊をほめ殺した664ページの大作だ。既刊の「本業」に加え、一般の本の書評、インタビュー、退団なども含め、編み直した。

タレントは街を歩けば、あからさまに後ろ指さされ、ひそひそとささやかれ、ぶしつけにカメラを向けられる。根も葉もないうわさ話を垂れ流される。事件ともなると世間の視線にさらされ、市中引き回しの刑になる。出演料をもらうことなく、大々的に一方的にスキャンダルを報じられる。博士によると、これらは「有名税」だ。タレントと名乗った瞬間から源泉徴収される。タレントの地位がビッグであればあるほど累進課税される。

博士はタレント本について、「『有名税』として片づけられたスキャンダルに自らペンを執ることにより、必要経費控除の機会を与え、独り歩きしてしまったパブリック・イメージに還付請求を行う作業こそがタレント本なのではないだろうか。(中略)タレント本とは、『膨大で払いきれない有名税に対するタレント本人による青色申告書』であり、自ら世間から換算してほしい、自分への価値そのものなのだ」と定義している。

本の帯文には、師匠のビートたけしが「よくこれだけのモンを書いたなー! この本、重いよ! バカヤロー!」と寄せている。

扱ったタレント本は、矢沢永吉、いかりや長介、長嶋一茂、飯島愛、田代まさし、ミスター高橋、松本人志、大槻ケンヂ、高倉健、諸星和己、堀江貴文、島田紳助、百瀬博教、テリー伊藤、又吉直樹、ビートたけし、酒井若菜ら。

また、「『飲む、打つ、買う』が芸人の三拍子だとしたら、ボクは『鬱』だけを極め、鬱病の再発でタレント議員の職をスピード辞職したり、最高裁でスラップ訴訟を争う予定の裁判の被告であったり、本業以外が忙しく、本以外の趣味の持ちようがなかったのだ」など、近況を自虐でつづっている。

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