9回にドラマが… 首位攻防戦 広島カープ vs. 阪神(5月22日)0.5ゲーム差 緊迫の投手戦

首位・阪神と0.5ゲーム差で迎えた首位攻防戦。広島カープが勝てば首位浮上、そして今季初の5連勝という大一番。9回にドラマが待っていました。

先発は、ここまで3勝1敗、防御率1.39の 森下暢仁 。その立ち上がり、1回、2アウト・2塁と得点圏にランナーを背負い、迎えるのは阪神の4番・大山悠輔 。大山にとってプロ500打点目と記念となる一打で先制点を奪われます。

大山には3回にも犠牲フライを許し、2点を追う展開となります。その後、森下は、新井監督も「しっかりゲームを作ってくれた」と追加点を許さずに粘ります。

5回は満塁のピンチを迎えますが、5番・糸原健斗 をファーストゴロに打ち取ると、続く 前川右京 の打席では、バットをへし折り、チームの首位浮上のために打線の援護を待ちます。

そのウラ、ピンチのあとにようやくチャンスを迎えます。先頭打者は好調の4番・小園海斗 。この日のチーム初ヒットで出塁すると、続くは前の日、逆転スリーランでヒーローになった 末包昇大 。センターにはじき返し、チャンス拡大。

ノーアウト・2塁・1塁。難敵・大竹耕太郎 を打ち崩せるのか―。打席には、4試合連続ヒット中、着実に復調の兆しを見せている 坂倉将吾 。期待のかかる場面でしたが、ここは惜しくもライトフライに…。得点につなげることができません。

カープの森下は、6回・7回を三者凡退に抑え、今シーズン最多の113球を投げてマウンドを後続に託します。

森下暢仁 7回 球数113 被安打6 奪三振7 失点2

森下からマウンドを引き継いだのは、森浦大輔 。8回、阪神の強打者3人を13球でピシャリと抑えると、9回の 塹江敦哉 も15球できっちりと三者凡退のピッチング。頼れるリリーフ陣の無失点リレーで2点ビハインドのまま、9回ウラを迎えます。

目指すは、逆転して首位。もちろん、あきらめていない 菊池涼介 。首位の景色を知り尽くす男が、今月14日以来の複数安打で出塁します。

さらに小園がフォアボールを選び、1アウト・ランナー2塁・1塁。ここで一発出れば逆転サヨナラ…。スタジアムの熱気がどんどん高まる中、打席に立つのは、“和製大砲”・末包でしたが、阪神・岩崎優 のスライダーに手が出てしまいます。

しかし、カープには、まだ、“この男” がいます。打撃センス抜群の坂倉。初球をとらえた打球はセカンドの頭上。2点を追いかけるカープが、ついに1点を返します。

なおもランナー3塁・1塁で同点・サヨナラのチャンス。この日、一番の大声援を浴びながら打席に立つのは、二俣翔一 。代走の 大盛穂 が盗塁に成功し、ランナー3塁・2塁とさらにチャンスを広げます。

もう、打ってくれ…。粘る二俣、体勢を崩しながらもファウル。10球粘った末に執念のフォアボールを選び、ついに満塁。

二俣がつないだこの日、最大のチャンス。ここでコールされるのは、もちろん、“代打の切り札”・松山竜平 ―。しかし、あと1本が出ず、惜しくも勝ちを逃したカープ。首位浮上は、お預けとなりました。(広島 1-2 阪神)

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