パナソニック、「LUMIX S9」発表。フルサイズで小型軽量、高いデザイン性を実現

パナソニックは、フルサイズで小型軽量、高いデザイン性を有したLUMIX S9を発表した。

希望小売価格はオープン。市場実勢価格は以下の通り。

  • ボディ:税込20万8,000円前後
  • Kレンズキット(標準ズームレンズ):税込24万1,600円前後
  • Hキット(高倍率ズームレンズ):税込28万7,000円前後

S9はS5IIとS5IIXの両機種の機能性能を小型軽量ボディに凝縮したのを特徴としている。コンセプトは、「フルサイズならではの表現力」「あなたの撮りたいを叶える」「自分らしい表現をSNSで簡単シェア」「そして常に持ち歩きたくなるデザインとサイズ」の4点。このコンセプトをもとに生まれたのをS9としている。

そして、同時に展開する新アプリの「LUMIX Lab」と合わせて編集スキルがなくても魅力的な写真や動画を作成して、すぐにSNSに簡単シェアを実現できるという。

レギュラーカラーのほかにカスタマイズできるエクステリア張り替えサービスを実施

S9の概要から紹介しよう。展開色は、レギュラーカラーのダークシルバー、ジェットブラック、それに加えて、エクステリア貼り替えサービス限定カラーのダークオリーブ、クリムゾンレッド、ナイトブルーの3色を展開する。キット展開は「ボディ」、広角20mmから標準域60mmまでの撮影領域をカバーする「20‐60mm標準ズームキット」、広角28mmから望遠200mmまで幅広い焦点距離を1本でカバーする「小型高倍率ズーム28-200mmキット」をラインナップする。

左から、「ダークシルバー」「ジェットブラック」「ダークオリーブ」「ナイトブルー」「クリムゾンレッド」※画像をクリックして拡大
デザイン検討プロセスモック。フラットデザインにおけるて天面操作系配置、背景グリップやストラップ取り付け位置にこだわり、何度も試作

S9は、上位機種のS5IIとS5II Xのエッセンスを惜しみなく小型ボディに凝縮し、さらにS9の目指すコンセプトを具現化する機能性能を搭載している。初めてフルサイズカメラを手にし、写真も動画も自分らしい表現を発信したいユーザーに届けたい商品としている。

約24.2MフルサイズCMOSセンサーとヴィーナスエンジン搭載

表現力としてのエンジンとイメージセンサーは、上位機種であるS5IIと同様に新世代のヴィーナスエンジンを搭載し、ディティールの処理、ノイズリダクション、色表現なども含めてS5IIと同等の画質表現を実現している。

約24.2MフルサイズCMOSセンサーを搭載

リアルタイム認識AFを搭載し、動物、瞳、車、バイク認識に対応

オートフォーカスは、S9においても像面位相差AFを搭載。AFの認識対象においては直近S5II、S5II Xのファームアップで対応した動物、瞳、車、バイク認識を標準で搭載する。

手ブレ補正テクノロジーは、小型ボディに5軸5.0段のB.I.S.を搭載。B.I.S.とO.I.S を連動されたDual I.Sでも5軸5.0段を実現している。さらに動画撮影時の手持ち撮影を強力にサポートするアクティブI.S.と、動画周辺歪み補正技術との組み合わせにより、歩き撮り時の大きなブレと広角レンズ使用時などにおける周辺のゆがみを低減する。

進化したリアルタイムLUTを搭載

S5IIより新たに搭載した自分好みの色表現を撮影データに反映できるリアルタイムLUTが進化している。カメラ本体に新たにLUTボタンを搭載し、これまでよりダイレクトにLUT設定を可能にしている。

背面に「LUTボタン」を搭載。LUT設定がよりダイレクトに簡単に

従来のカメラでは10個までだったLUTの保存数を、S9では39個まで追加できるように強化している。さらにリアルタイムLUTに対応したフォトスタイルがV-logのみからS9では標準、ポートレート、ランドスケープ等のすべてのフォトスタイルに適用することが可能になる。これによりより自由な表現を実現可能としている。

さらにリアルタイムLUTメニュー内に新しいパラメータを追加している。適用されるLUTの強度を調整できる、いわゆる濃度調整が可能となり、LUTの適用度を10%から100%まで調整することが可能。加えて、粒状、カラーノイズ効果も追加可能となっている。

そして、さらなる表現の追求を可能とするクリエイティブな機能として 2つの異なるLUTの重ね合わせを可能としている。

新たに2つのズーム機能「クロップズーム」「ハイブリッドズーム」搭載

S9には、新たに2つのズーム機能を搭載する。1つ目は「クロップズーム」で、画像の中央を切り出すことで望遠効果を得られる。2つ目は「ハイブリッドズーム」で、光学ズームとクロップズームを組み合わせることで、通常のズームリングの操作のみで、ワイド端の焦点距離はそのままにテレ端の焦点距離を最大約3倍拡張できる。

例えば20‐60mmのレンズを使用した場合、その操作感のまま20mmから最大約180mmまで拡張可能になる。

さらにS9には新しい動画形式を搭載。センサーのフリーエリアで記録することで、各種SNS使用時に画角編集の自由度が向上。さらに低ビットレート化することで、スマホへのデータ転送を従来比で約1.7倍高速化を実現可能としている。

新しい動画形式により、SNS等で急増しているショート動画に対するニーズに応えられるという。

新アプリ LUMIX Labの1つ目の特徴は、従来アプリからLUMIX Syncと比べ接続手順が簡単になる。さらに画像動画を高速転送可能な5GHz帯をカメラ側で選択可能となっている。自動画像転送機能も搭載し、画像とMP4 Liteの動画をスマートフォンに自動転送可能となっている。

2つ目の特徴は、アプリ内でオリジナルのLUTが作成可能。LUMIX Lab のアプリでその場、その時に感じた自分の表現を具現化し、LUTをスマホからカメラに転送。そして写真動画を撮影という新たな撮影体験を提供するという。

さらにアプリを通してLUTサーバーに接続することで、グローバルで活躍されているクリエイター作成によるLUTをダウンロードすることが可能。ダウンロードしたLUTをアプリを通してカメラに転送することで、そのLUTを適用した撮影が可能としている。

リアルタイムLUTはカラーフィルターのようなもので、独特の色味や雰囲気を与えることが可能
記録メディアは、SDメモリーカードスロットを1基搭載
バッテリーパックは「DMW-BLK22」が付属する
右側面にはHDMI端子(HDMI Type D)とUSB Type-Cを搭載する

薄型・軽量の単焦点パンケーキレンズ「LUMIX S 26mm F8」登場

交換レンズについては、LUMIX S シリーズのレンズロードマップに「LUMIX S 26mm F8」 そして「18-40mm F4.5‐6.3」標準レンズを追加した。

単焦点レンズ26mm F8については、S9の小型軽量ボディにマッチした超薄型軽量パンケーキレンズ。S9との組み合わせでスナップ撮影を楽しむマニュアル操作、薄型軽量ボディでありながら、その他の LUMIX S レンズ同等の描写性能を実現しているという。

さらに新しいレンズとして「18-40mm F4.5‐6.3」を発表。年内中の発売に向けて開発を進めているという。広角18mmスタートで、最短撮影距離0.15mを実現。S9にマッチした小型軽量ズームレンズとしている。

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