生成AIで「理想のアルバイト先」探しを 「バイトル」運営の「ディップ」が開発

求人情報サイトを運営するディップ(東京都港区)は、生成AI(人工知能)を活用した対話型のアルバイト探しサービス「dip AIエージェント」を2024年5月21日に開始した。「バイチュー」と呼ばれるAIキャラクターが会話形式で、求職者の要望に合うアルバイトを探してくれる。就活にまつわる相談にも、のってくれるという。

何度も求人情報を提供してくれる

「dip AIエージェント」を、実際に記者が体験してみた。ウェブサイトにある「AIエージェントを体験する」というボタンをクリックすると、バイチューとのチャット画面に切り替わり、次のセリフが表示された。

「はじめまして!ボクはバイチューだよ。○○さんのアルバイト探しをお手伝いできるのがうれしいな。まずは、どの地域で働きたいか教えてもらえるかな?」

具体的に最寄り駅などを入力すると、次は、「どんなお仕事がいいかな?例えば、飲食店とか、販売とか、希望があれば教えてほしいな」とたずねてきた。画面では飲食店、販売、特になし、の三択で回答が選べる他、それ以外の希望を自分で書くこともできる。

記者は「販売系の仕事」と回答。すると、バイチューから2件の求人先が送られてきた。「これじゃないな」と返答すると、さらに新しい求人先を提供してくれた。このような形で、何度も求人情報を見つけてくれるのだ。

視野に入らなかった仕事と出会える

ディップ代表取締役 兼 COO・志立正嗣さん聞いた。従来の求人サイトは、自分で「職種」「時給」「場所」など絞り込み、探していくしかなかった。「dip AIエージェント」では、そもそもどんな仕事がいいか分からない人向けに、求職者本人の希望や条件といった情報を引き出しながら適切な仕事を紹介してくれる。

例えば、音楽関係のアルバイト先を探すとする。通常、求人サイトでは、楽器店や、音楽イベントスタッフのような仕事が紹介される。「dip AIエージェント」の場合、「音楽好きが集まるバー」のように、音楽というキーワードに繋がるものを探してくる。今までは視野に入れていなかった仕事と出会えるのが魅力だと話す。

志立さんによると、アルバイトに特化した対話型仕事探しサービスは、これまでなかった。バイト探しで、自分にピッタリの仕事を見つけることが難しかったという。

ディップは、アルバイト情報サイト「バイトル」を運営している。そのサービスを軸に今回、「dip AIエージェント」を開始した。今後はバイトルにとどまらず、各種サービスでも同様の方法で仕事を紹介していきたいと話した。

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