坂茂氏がデザイン、新・三宮図書館と文化ホールの概要公表 籠状の天井や吹き抜けのホワイエ 神戸・三宮のツインタワーに移転

新しい神戸市立三宮図書館のイメージ図。アーチ状の天井が目を引く(神戸市提供)

 神戸市は23日、神戸・三宮再整備事業の中核に位置付ける高層ツインタワー1期ビル(同市中央区雲井通5)内に移転、新設する市立三宮図書館と神戸文化ホールの施設概要を発表した。図書館は木材で籠を編んだようなアーチ状の天井が特徴。大ホールはバルコニーの袖側を舞台に近づけて一体感を演出する。いずれも世界的建築家の坂茂氏がデザインを手がけ、2028年中の開館を予定する。

 1期ビルは地上32階、地下3階、高さ約163メートルで西日本最大級のバスターミナルが整備される。JR三ノ宮駅東の旧市勤労会館にあった三宮図書館を9~10階に、老朽化した神戸文化ホール(同市中央区楠町4)を4~8階に移す。

 図書館の天井アーチは神戸・有馬温泉の伝統工芸「有馬籠」がモチーフで、利用者を知的空間へといざなう。都心部の立地を踏まえ、働く世代をメインターゲットにした蔵書は約11万冊。10階は六甲山を間近に感じられる屋上庭園に直結し、屋外で読書を楽しめる。

 文化ホールには吹き抜けのホワイエを設け、カフェを配置してアート作品の展示などを行う。大ホール(約1800席)の内装は茶系のアースカラーが基調。音響性能を高める波板状の壁を採用し、本格的なオペラやミュージカル、オーケストラなどの公演に使われる。プロのコンサートから地域の集会まで幅広く使える小ホール(約270席)も備える。

 久元喜造市長は会見で「神戸らしさを取り入れた上質のデザインに仕上げていただいた。今までにない魅力を持つ空間が誕生すると期待している」と話した。 (金 旻革)

© 株式会社神戸新聞社