パリ五輪体操代表・橋本大輝選手 王者の試練を乗り越えパリへ「着地」を武器に3冠めざす【メダルへの道】

2024年7月26日に開会式が行われるパリオリンピックのメダル候補を紹介する「メダルへの道」。今回はパリ五輪で2大会連続の金メダルを目指す、体操の橋本大輝選手(22)を取材しました。そこには、東京五輪の後に経験した王者の苦悩がありました。試練を乗り越えて見えた“新境地”に迫ります。

【写真25枚】レジェンド・内村航平さんに指導を受ける橋本選手

金メダル獲得後の試練「自分の演技ができなくなった3年間」苦しみの先につかんだ「新境地」

橋本選手は、3年前の東京五輪では初出場ながら、持ち味のダイナミックな演技を披露し、個人総合と種目別鉄棒で見事2冠を達成!
さらに、翌年には世界選手権の個人総合でも金メダルを獲得し、レジェンド・内村航平さん以来の快挙を成し遂げました。

しかし、東京オリンピック後の3年間は順調ではなかったと振り返ります。

橋本大輝選手:
自分の演技ができなくなった3年間というか。迷い続けた3年間でもあったかな。

これまでプレッシャーは感じたことがなかったそうですが、プレッシャーに加え、2023年の1月には腰の疲労骨折が判明するなど、もどかしい時期を過ごしたということです。

橋本大輝選手:痛くて動けないというところだけではなくて、精神的なものがやっぱり試合に臨むにあたって一番辛くて。手を上げる前も、全然練習できてなくて、あんまり自信がなかった時もありましたし。

思うように練習が積めず、試合で度々落下することも。体の不調はメンタルにまで影響していました。

しかし、その状況を打破したきっかけは、連覇を達成した2023年の世界選手権だったといいます。

橋本大輝選手:
敵がどうだろうが、自分がやるべきことをはっきりさせればいいんだって思いましたし、色々吹っ切れましたね。自分を信じていける3年間を過ごしたなと思いました。

苦しみ抜いた経験が、王者を「新境地」へと導きました。

パリ五輪で狙う団体金メダル ポイントは「着地」

橋本選手がパリ五輪で闘志を燃やすのが団体の金メダル獲得です。
東京五輪では1位のROCと「0.103」点差で惜しくも銀メダルに。橋本選手になにが足りなかったのか聞いてみると…。

橋本大輝選手:
着地ですね。最後の着地が印象を分ける、演技を分ける、勝負を分けると思っているので。技って言えるぐらい必要。

着地の乱れで0.1点、0.3点など減点がある体操において、橋本選手は着地を「最後の技」と考えているそうです。
2023年からは日本代表コーチに内村航平さんが加わり。着地の重要性を説いてきました。

橋本大輝選手:すべての種目において7割ぐらいの力で、今のパフォーマンスができたらどんな緊張がかかる場面でも力をなるべく使わずに自分の動きが出せて、そうすれば着地も止まると思うので。

余裕をもった演技で着地をきっちり止めることこそ、橋本選手の「メダルへの道」です。
最後にパリ五輪への意気込みを聞きました。

橋本大輝選手:
(東京の団体は)あとちょっとで届くものが取れなかった悔しさもあるので、パリではみんなで笑って取りたいですし、団体総合、個人総合、種目別鉄棒の3つは取りたいなって思います。

(2024年5月23日「めざましテレビ」放送より)

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