「やましいことあるのか」野党批判に鈴木氏防戦一方 修正示唆し着地探る

国会議事堂(資料写真)

 自民党派閥の裏金事件に端を発した政治資金規正法改正案の実質的審議が始まった23日の衆院政治改革特別委員会では、自民案提出者で同党政治刷新本部座長の鈴木馨祐氏(神奈川7区)が答弁者として立った。野党からの批判にさらされ防戦一方の中で「有意義な見直しには真摯(しんし)に対応したい」と表明。修正の可能性を示唆して着地点を探るなど、説明役にとどまらず各党との交渉役も担う覚悟をにじませた。

 「領収書、明細書を公開しないというのは、むしろ裏金活動の自由を守るためですよね。何で公開できないんですか。やましいことでもあるのですか」(立憲民主党の柚木道義氏)。政党から議員個人に支出され使途公開義務がない政策活動費を巡り、鈴木氏は質疑冒頭からやり玉に挙げられた。「公開にはどうしてもなじまない、そういったものが存在するのも事実。支出の項目についてはしっかりと収支報告書の本体に記載をしていく」と苦しい説明に終始した。

 日本維新の会の青柳仁士氏からは「癒着によって政策や行政がゆがめられる」と企業・団体献金の廃止を迫られたが、「そうならないために広く薄く集める努力が大事。企業・団体による献金や事業収入は許容される」と廃止する考えはないことを強調。野党の意見との距離ばかりが目立つ孤立無援の状態だった。

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