「STATCAST」の新指標でわかった大谷が強い打球を打てる理由

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのが様々なデータだが、それを解析している「STATCAST」が新指標を公開した。大谷は日本人最速のバットスピードを誇るもMLB全体では17位。しかしながらトップクラスの強打を放つことができる理由が明らかになった。

MLBのトラッキングシステム「STATCAST」のデータを解析して公開する「Baseball Savant」がバットスイングの速度や軌道をもとに新指標を公開した。

公開されたのは「平均バットスピード」(平均71.4マイル)と、75マイル(約125キロ)以上の「ファストスイング率」(平均22.4%)、さらに速いスイングでどれほどバットの芯に当て、スクエアアップ(=投球の球速から求められる打球速度の最大値にどれほど近いか)できたかを示す「ブラスト率」などだ。

「平均バットスピード」と「ファストスイング率」のトップは、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)の80.5マイル(約129.6キロ)と97.5%である。筋骨隆々のパワーで今季メジャー2位となる打球速度119.9マイル(約193.0キロ)を記録している。

日本時間5月22日にスタントンを超える121.5マイル(約195.5キロ)のタイムリーを放ったオニール・クルーズ(パイレーツ)は「平均バットスピード」と「ファストスイング率」が77.9マイルと75.8%でともに2位だ。

日本人選手最速の大谷翔平(ドジャース)の「平均バットスピード」と「ファストスイング率」は75.4マイル(約121.3キロ)と55.7%でともに17位だが、ブルージェイズの菊池雄星から今季メジャー3位の打球速度となる119.2マイル(約191.8キロ)の安打を放った理由が「ブラスト率」の高さだった。

「ブラスト率」にはコンタクト率とスイング率があり、平均13.8%と10.6%に対し、大谷の「ブラスト率」は29.1%(2位)と21.3%(3位)という高い数字になっている。

スイングスピードの速さは大きな武器となるが、それを補う「ブラスト率」によって生み出される強打。それが大谷の強打の秘訣の1つと言っていいだろう。データを知れば活躍する選手の理由が見えてくる。気になる選手のデータものぞいてみてはどうだろう。

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