『Believe』木村拓哉のここまで凍りつく表情は見たことがない! 黒木の本当の目的は一体?

ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)第5話で「波乱の逃亡編」が完結。次週より「真相編」へと突入する。

狩山(木村拓哉)は過去の仕事で面識のあった半田豊(田中哲司)に、突如匿われる形で静岡県藤枝市へ。だが、刑事の黒木(竹内涼真)たち警察側と弁護士の秋澤(斎藤工)と磯田(小日向文世)たち帝和建設側も、死にものぐるいで狩山の身元を追っていた。

物語の折り返しを迎えるこの第5話で際立っているのは、黒木の狩山に対する異常なまでの執着だ。“復讐心”というのは、娘を殺された半田と兄・若松(竹内涼真)を龍神大橋の事故で亡くした黒木を繋げる共通ワードだが、静岡に向かう車内で、捜査を共にする千佳(片山友希)は黒木に「狩山を執拗に追うのは、お兄さんの復讐のためですか?」と投げかける。しかし、黒木は高笑いをするばかりで、千佳にも手の内を明かそうとはしない。狩山から玲子(天海祐希)宛に送られた手紙を配達員から半ば強引に奪い、開封してしまう(信書開封罪)など違法捜査を犯すほどに、黒木は狩山相手に躍起になっているのが分かる。

そして、「波乱の逃亡編」は狩山と黒木の対面、つまりは狩山が黒木の顔を認識するところで幕を閉じる。第3話の、古着屋のダクトを抜けた先の屋上で2人はニアミスしている。そこで黒木は銃を構えるふりをして牽制したが、狩山はそのまま振り向かずに逃走。つまり、第5話で初めて亡くなった若松と瓜二つの黒木を目の当たりにするわけだ。半田たちにこれ以上迷惑をかけられないという思いからの判断だろう、狩山は「刑事さん、ご迷惑をおかけしました。自分が狩山陸です」とお辞儀から頭を上げるが、驚きのあまりに表情が凍りつく。脳内にフラッシュバックする、龍神大橋での事故。一方の黒木は不気味な笑みを浮かべながら、「はじめまして、狩山さん」と投げかける。混乱する狩山に対して、黒木は余裕すら感じさせる。

改めて、第6話からは「真相編」が描かれるわけだが、この狩山と黒木の対面を物語の折り返しに持ってきたということは、それ自体に大きな意味合いがあるということではないだろうか。黒木が狩山を執拗に追う真の理由とはなんなのか。公式サイトで公開されている第6話の場面写真を見ると、再逮捕されるはずの狩山がまだ逃亡しているようにも見えるため、かつて刑務官の林(上川隆也)が狩山を病室から逃した時のような、驚きの展開が待ち受けているものと予想できる。

林と東京都知事の榛名文江(賀来千香子)の繋がりなど、『Believe』にはまだまだ多くの真相が隠されている。目を覚ました南雲(一ノ瀬颯)と絵里菜(山本舞香)も後半で再び動き出しそうだが、狩山の敵なのか、味方なのか分からない、秋澤もまた物語におけるキーマンである。

(文=渡辺彰浩)

© 株式会社blueprint