高級ブランドはなぜ中国で衰退しているのか―米メディア

中国のトレンドや高級品市場を分析する米サイトのジンデイリーにこのほど、「高級ブランドはなぜ中国で衰退しているのか」とする記事が掲載された。

中国のトレンドや高級品市場を分析する米サイトのジンデイリーにこのほど、「高級ブランドはなぜ中国で衰退しているのか」とする記事が掲載された。

中国メディアの環球時報が要約して伝えたところによると、記事はまず、「ほぼすべての高級ブランドが直面している課題の一つは、世界で最も若年層に属する中国の高級品顧客の急速に変化する期待に応えることだ。多くのブランドが数字の鈍化や減少を高級品需要の冷え込みもしくは外的要因のせいにしているが、筆者は中国の高級品顧客の変化する追求について調査するよう強く勧めたい」とした。

記事によると、今日の中国の高級品顧客は、ステータスシンボルや原産国名、派手なロゴ以上のものを求めている。洗練された中国の顧客は、漠然とした約束の代わりに、共感を呼ぶような独自のパーソナライズされた体験とユニークなブランドストーリーを提供するブランドを求めるようになっている。

中国の消費者は、デジタルに関する専門知識によって、十分な情報に基づいた意思決定を行い、ブランドが自身のニーズを満たすかどうかを理解できる。革新と適応に失敗したブランドは、このダイナミックな市場で淘汰(とうた)されるリスクがある。

若年層、特にZ世代とミレニアル世代は、中国の高級品市場の成長を促進する上で極めて重要な役割を果たしている。そうした層は自分の価値観と一致するブランドだけを購入する。多くの既存の高級ブランドがZ世代の共感を得られなかったことが、人気低下の主な理由だ。

ラグジュアリーの真髄は、物理的な製品を超えて総合的で非日常的な体験をカプセル化する究極の価値の創造であり、重要なのは、特定のブランドマーカーに基づく必要があるということだ。高級感というものは非常に個人的で流動的なため、ブランドは顧客の進化する好みに継続的に触れ、理解することが欠かせない。ペースの速い中国市場において、これは、物理的およびデジタルの両方のあらゆる「タッチポイント」でインスピレーションを与え、毎回ブランドストーリーを伝えることを意味する。筆者のチームが中国で実施した最近のブランド監査では、ブランドストーリーがまったく認識されていないか、ストーリーが漠然としているという印象を受けた。このことは、現在多くのブランドが失敗している理由を物語る。

中国市場に影響を与え、魅了するチャンスは計り知れないが、そのためには変革と卓越性への大胆な取り組みが求められる。顧客の期待が急速に変化する中、ブランド戦略の定義、ブランドストーリーの策定と実行、そして若い消費者にインスピレーションを与える能力の劇的な改善が必要だ。中国におけるあなたのブランドの未来はそれにかかっている。(翻訳・編集/柳川)

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