Arent/BIM導入の効果を調査、実感していない企業が7割弱

建設DXのコンサルティングなどを手掛けるArentがゼネコンらを対象にBIM導入の効果を調査した結果、BIM導入で期待する効果を実感できていない企業が7割弱に上ることが分かった。3D可視化やデータ整合性の向上といった視覚利用にとどまり、情報の統合や効率化の効果を得てない。懸念や障壁には「人材不足や技術的な課題」「組織文化の変化」などが挙がり、BIMのデータ活用が不十分であることが明らかになった。
調査は、同社が4月17日に東京都内で開いたBIM関連セミナーの参加者を対象に実施。設計事務所、ゼネコン、サブコンなど152社、419人が回答した。
BIMの導入状況では、39%の企業がBIMを導入し活用できている一方、37%がBIMを導入したものの活用できていないと回答した。導入検討中の企業は7%あり、情報収集している企業が12%。特に検討していない企業は4%となった。
BIM導入の効果は32%が期待した効果が得られている一方、「それほどの効果を感じない」が40%で、14%が「期待した以上の効果を感じない」、14%は「効果を測定できていない」となり7割弱を占めた。
期待している点では、43%が「業務効率化」と回答。BIMが建築プロセス全体を効率化し、作業時間や手間の削減に期待している。次いで「データ分析」31%、「顧客への対応」19%となった。
実際にBIM導入で得たメリットとして「3D可視化によるコミュニケーション」「理解度の向上」「データの整合性の強化」などが挙がった。一方、課題として既存のCAD業務との組み合わせにより二重作業が生じたり、確認申請のために紙やPDF出力が必要となり手間が増加するなど、作業効率に影響を及ぼす要因が指摘された。

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