マドリーが来夏に狙う21歳の天才ヴィルツ、中盤強化の“ラストピース”か!? 元ドイツ代表バラック氏は断言「彼は間違いなくマドリーにフィットする」

元ドイツ代表のミヒャエル・バラック氏が現地時間22日、レアル・マドリー移籍の噂が浮上しているレバークーゼンの10番、フロリアン・ヴィルツについてドイツメディア『Sport Bild』に語った。

「ヴィルツは特別なフットボールの知性を持っていて、オフ・ザ・ボール、オン・ザ・ボールを問わずインテリジェンスに優れている。間違いなくレアル・マドリーにもフィットするだろう」

バラック氏が「現在のドイツ最高のプレーヤー」と言い切るこの21歳の天才MFには、マドリーだけでなく、マンチェスター・シティ、アーセナル、リバプール、チェルシー、バイエルン、パリ・サンジェルマン、バルセロナなどが強い興味を示している。

ただし、スペインメディア『RELEVO』によれば、ヴィルツはレバークーゼン残留が濃厚で、来シーズンもシャビ・アロンソ監督が率いるチームの司令塔としてプレーする可能性が高い。またマドリーとしても、キリアン・エムバペの獲得に全力を注ぎたい今夏ではなく、2025年夏にトニ・クロース、あるいはルカ・モドリッチの後継者としてヴィルツを迎えたい意向だと同メディアは伝えている。
クロース、モドリッチ、カゼミーロの3人を中心に長年中盤を構成してきたマドリーは、数年前からミッドフィールドの若返りに取り組んできた。カンテラーノ(下部組織出身者)のフェデリコ・バルベルデを大切に育てる一方で、エドゥアルド・カマビンガ(2021年夏)、オーレリアン・チュアメニ(2022年夏)、ジュード・ベリンガム(2023年夏)と、毎年のように実力者を獲得し、着実に戦力を積み上げてきた。

その間に、カゼミーロがチームを去り、モドリッチは確実に出場機会を減らし、クロースは今シーズン限りでの現役引退を表明したが、トルコの至宝アルダ・ギュレルも加わり、若手が多くの経験を積んだことで、強力な布陣が完成しつつある。そしてヴィルツが、フロレンティーノ・ペレス会長が計画する中盤強化の“ラストピース”というわけだ。

ヴィルツの推定市場価格は、今シーズンの大躍進により開幕当初の8500万ユーロ(約144億円)から1億1000万ユーロ(約187億円)まで跳ね上がった。今夏にドイツで開催されるユーロや来シーズンの活躍次第では、さらに高騰する可能性もあるだろう。

バラック氏は、「昨年ドルトムントからマドリーに加入したベリンガムのように、より優れた選手たちとプレーすることで、ヴィルツ自身さらにレベルアップを図ることができるはずだ」と語る。もし、すべてがペレス会長の計画通りに進んだとすれば……1年後、中盤の若武者たちがさらにたくましさを増し、エムバペがようやくスペインの水に慣れてきたところに、ヴィルツが加わることになる。末恐ろしいかぎりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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