【レスリング】石黒峻士が恩師・永田裕志に感謝の優勝「永田さんのような大きな男になる」

石黒峻士

ミスターのような大きな男になる――。新日本プロレスのレスリングチームを離れ、新たな一歩を踏み出した石黒峻士(26=MTX GOLDKIDS)が、恩師・永田裕志(56)に感謝の勝利だ。

レスリングの明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)初日(23日、東京体育館)、男子フリー92キロ級決勝で、石黒は三浦哲史(拓大)を6―0で下し優勝。プレーオフも制し、非五輪階級の世界選手権(10月、アルバニア)代表となった。

石黒は、永田監督率いる新日本のレスリングチームでパリ五輪出場を目指していたが、昨年末の全日本選手権で優勝を逃し、パリへの道が途絶えた。一時は引退が頭をよぎり、新日本からはプロレスラー転向を期待されるも、レスリングへの気持ちが勝り、現役続行を決意。3月末で同チームを〝卒業〟した。

新天地で再び日本の頂点に立った石黒は、試合後に永田に対する思いがあふれ出た。「3月に永田さんが快く送り出してくださったから、ぼくも気持ちよくレスリングを続けられている。永田さんは素晴らしい人間性の持ち主。(新日本時代は)恩返しできなかったけど、感謝しかないです。永田さんのような大きな男になりたい」と、人間として目標にしている。

弟の隼士(自衛隊)はアジア予選(4月)に出場し、フリー86キロ級で見事にパリ五輪切符を獲得。大いに触発された。競技での目標は世界選手権での優勝。「今回で完全復活。課題をクリアすれば、どんなバケモノになるのか楽しみにしてください」と笑顔を見せた石黒。ミスターの教えも胸に、再び世界に挑む。

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