2時間待ちもザラ!東京タワーの「映え」スポット…訪日客殺到、ここは大丈夫?

知る人ぞ知る撮影スポット、外国人が殺到するように…(C)日刊ゲンダイ

インバウンドフィーバーを象徴する出来事だ──。

山梨県富士河口湖町にある、コンビニ越しに富士山が見える人気撮影スポットに21日、眺望を遮る黒い幕が取り付けられた一件は、観光客が殺到し、住民の苦情が相次いだことによる苦肉の策だった。

もともと何の変哲もない場所だが、SNSを通じて海外で話題になり、多くの外国人観光客が訪れるようになった。眺望に加え、富士山とローソンという日本的な組み合わせがウケたようだ。他にも、富士山に橋が架かっているように見える「富士山 夢の大橋」(静岡県富士市)もSNSで注目され、連日多くの訪日客でにぎわっている。

日本人にとってなんでもないような場所が、SNSでバズった途端、訪日客が押し掛け「映え」スポットに変貌する。そんな事態は、日本各地で起こっている。

「駐車目的以外の立入禁止」の張り紙はあるけれど…

写真はそのひとつ。東京タワーの南側にある地下駐車場入り口のとある階段だ。狭いスペースから巨大なタワーが見え、以前から日本人の間でも知る人ぞ知る撮影スポットだが、1年ほど前に海外のインフルエンサーが取り上げ、外国人が殺到するようになった。

22日の午後1時ごろ、日刊ゲンダイ記者が現地を訪れてみると、11組23人の外国人が自然に列をつくって並び、自分の番を待っていた。1組あたり10分ほど、ポーズや構図を変えじっくりと写真を撮るので、2時間待ちなんてケースも珍しくないようだ。写真を撮影していた中国人の女性2人組に話を聞いた。

「私の大好きな男性アイドルがここで写真を撮っていました。それをSNSで見て、撮りに行かなくちゃって!」

一方で、階段には「駐車目的以外の立入禁止」と書かれた張り紙もある。撮影の自重を求めているようにも見えるが、「株式会社TOKYO TOWER」の広報担当者はこう言う。

「写真撮影を禁止しているわけではなく、あくまで駐車場の利用者にご迷惑がかからないようにお願いする旨です。特にトラブルも発生していないため、何か対応するといったことは考えていません」

SNS時代ならではの“日本再発見”に杓子定規の対応はヤボか。

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