お家芸種目のメダルラッシュもたらす現役慶大生女子レスラーの“型破りキャラ”

今年1月のプレーオフを制して代表入りを果たした尾崎野乃香(C)日刊ゲンダイ

パリ五輪女子レスリング68キロ代表の尾崎野乃香(21=慶大)が23日、全日本選抜選手権が行われている東京体育館で会見。約2か月後に迫った初出場の大舞台に向けて「悔いのないようにしっかり調整し、金メダルを取ってレスリングを盛り上げたい」と目標を口にした。

尾崎は2022年の全日本選抜選手権女子62キロ級で、東京五輪金メダルの川井友香子を下して連覇を達成。同年の世界選手権(セルビア・ベオグラード)も制して、同階級でのパリ五輪出場が確実視されながら、23年の全日本選抜選手権で準々決勝敗退に終わり、代表入りを逃した。

その後、代表選手が決まっていなかった68キロに階級を上げて23年の全日本選手権優勝。今年1月、世界選手権5位の石井亜海とのプレーオフを制し、土壇場で代表切符を勝ち取った。

女子レスリングのトップクラス選手では珍しい慶大環境情報学部に籍を置く現役の女子大生。レベルの高い練習環境を求め、他大学や高校に出稽古し、パワーで勝る男子選手を相手に研鑽を積んでいる。女子の強豪である至学館大、日体大の選手とは異なり、独特な練習法でレベルアップを図ってきたが、そのキャラクターも際立っている。

根っからの目立ちたがり屋。競技の注目度を高める目的もあって、髪をピンクに染めたり、手足の指に派手な模様のマニュキュアを塗ったまま試合に臨むなど、タックルを武器に相手をマットに葬り去るファイトスタイル同様、派手なルックスにもこだわりを持っている。どちらかといえば、保守的で昔ながらの体育会系気質が残るレスリング界において異色な存在だ。

パリ本番では注目度を高めるため「髪型やマニュキュアをどうするか考えています」(尾崎)という。

パリ五輪の女子レスリングは尾崎の68キロ級が全階級のトップを切って8月6日に決勝を迎える。尾崎の派手なパフォーマンスは、日本のお家芸種目にメダルラッシュをもたらすかどうか。

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レスリング界と言えば、前強化本部長の栄和人氏や東京五輪金メダリストの向田真優などを筆頭に「師弟関係カップル」が目立っている。周囲から見れば禁断の関係とも取られがちな選手と指導者による恋愛だが、いったいなぜレスリングは「指導者と教え子」カップル多いのか。

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