井之脇海、『9ボーダー』松嶋に共感も明るいキャラに一苦労? 木南晴夏からの刺激も明かす

毎週金曜22時よりTBS系で放送されているドラマ『9ボーダー』第6話の放送を前に、井之脇海のインタビューコメントが公開された。

本作は、19歳、29歳、39歳と、各年代のラストイヤー=「9ボーダー」真っ只中の3姉妹を主役としたヒューマンラブストーリー。父の突然の失踪を機に一つ屋根の下に集結した3姉妹が、「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の“3L”をテーマに、モヤモヤや焦りを抱え幸せになりたいともがきながら、人生を前向きに進んでいく姿を描く。

井之脇が演じるのは、3姉妹の長女・六月(木南晴夏)が所長を務める会計事務所に新米会計士としてやってきた松嶋朔。井之脇が松嶋を演じる上で意識していることはなんだろうか。

「今回演じた朔という役は、僕の普段の性格と比べると明るくて元気なところがあるので、メイク中に周りの方と会話をしながら徐々にテンションを上げて朔モードにしてから現場に入るようにしています」

撮影では、明るいキャラクターならではの苦労も。

「第1話と第3話でマジックを披露したのですが、その練習が個人的に大変でした。マジックはどうしても一発で上手くできず、第1話は本番だけでなく念のためテスト撮影からカメラを回していたんですけど、いちばん上手くいったのが実はテスト撮影の時なんです。なおかつ屋外での撮影で風が強かったので、一瞬のタイミングのためにスタッフのみなさんが毛布で風を遮って協力してくださったことが印象に残っていますね」

共演シーンの多い六月役の木南から受ける刺激も大きいという。

「木南さんが演じている六月って派手さのある女性だと思うんですけど、力まずにスッと馴染むように役に入られているんですよね。いい意味でお芝居をしている感がないのがすごいなと。オンとオフの切り替えはあると思うのですが、肩ひじ張っていないというか。カメラが回っていない時も変わらずにフラットでお話しやすいですし、ちゃんと普通の感覚を持っていらっしゃるところが素敵だなと思っています」

その上で、木南との印象的なエピソードについては次のように語った。

「僕は料理をするのが好きで、その中でも低温調理器を使った料理が得意なんです。それで作ったものを木南さんに紹介したら『作ってみたい!』と興味を持ってくれたんです。その後、実際にご自身も挑戦してくださって。木南さんがハマってくれたのが嬉しかったので、撮影現場では3姉妹の川口さんと畑さんにも低温調理器を薦めています(笑)」

3姉妹のように、松嶋とコウタロウ(松下洸平)、陽太(木戸大聖)には男同士の絆のようなものがあるのだろうか。

「木戸くんとは一緒にお風呂に入るシーンがあったので男同士の裸の付き合いで色々な会話ができたのが嬉しかったですね。松下さんとはこれから撮影現場でお会いできるのが楽しみなのですが、以前、飲食店でたまたまお会いしたことがあったんです。そこは歌えるお店で、松下さんはしっとり系の歌をずっと歌っていたのが印象的で…。でも先日、『9ボーダー』チームで松下さんのライブを観に行った時は、ハツラツとした歌を歌われていたのでなんだか安心しました(笑)」

第5話では、六月に告白し、新たな一歩を踏み出した松嶋。井之脇自身にも同じような“新たな一歩”の経験があるという。

「18歳の時に初めて自分で映画を撮りまして、ちょうど“9ボーダー”にあたる19歳の頃にその作品が「カンヌ国際映画祭」に招待されたんです。自分で飛行機や宿の手配をしたりと、初めてづくしの中で向かった現地で、同世代の監督と交わした言葉や共有した時間は刺激的で忘れられない出来事でした。僕の中でかけがえのないものとして今も心の支えになっているので、その経験が表現者としても大きな一歩でした」

そんな井之脇が、覚悟を決める前に必ずやることを教えてくれた。

「何かを決める前に、目を閉じてゆっくり深呼吸をして『無』になることを大事にしています。例えば試験前や緊張する撮影前などによく行っているんですけど、集中するという意識に近いですね」

最後に井之脇は、演じている松嶋の共感できるところに触れながら、“松嶋ならでは”の注目ポイントについてこう明かした。

「朔という人柄が醸し出す『好きな人に笑っていてほしい』という部分には僕自身とても共感できました。恋愛だけではなく、友達など大切だと思う人に対しておこがましくない感じで寄り添う距離感はいいですよね。バッティングセンターのシーンで六月に打ち方を教える時、直接肩に触れるよりも、少し触れてしまってドキッとしてしまうところもかわいいですよね。六月との展開も気になるところですが、好きな人には笑っていてほしい、穏やかな時間を一緒に過ごしてほしいと思う朔に共感しやすいと思います。恋愛面以外にも、新米会計士として仕事に悩む様子も描かれているので、彼が成長する姿をぜひ見守っていただけたら嬉しいです」

(文=リアルサウンド編集部)

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