若い世代ほど熱心・1週間に5時間以上取り組む人も19%弱…FXトレードの「検証・練習」の取り組み状況を大調査

(※写真はイメージです/PIXTA)

テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、FXトレーダーの検証・練習の取り組み状況について調査する目的で、FXのトレードを行っている20歳以上の男女507名を対象にアンケートを行いました。本調査からは、FXの検証・練習によってスキル向上・収益増加を実感しやすいことが分かってきました。

調査サマリー

今回の調査結果に関する概要は以下の通りです。

  • FXトレーダーの82.6%が検証・練習を行っている、若い世代の方が熱心な傾向
  • 検証・練習にかける時間は週あたり30分~1時間未満が34.0%と最も多い
  • 検証・練習の専用ツールを使用している人が73.0%、20代では使用率が93.5%に上る
  • 大半の人が検証・練習の効果を実感、若い世代の方が大きな効果を感じる傾向

調査の実施概要

調査機関:自社調査
調査方法:インターネット調査(株式会社ジャストシステム「Fastask」)
対象エリア:日本全国
対象者:現在、FXの取引を行っている20歳以上の男女
調査期間:2023年10月11日~10月18日、10月25日~26日
有効回答:507名

主な調査結果

1.FXトレーダーの82.6%が検証・練習を行っている、若い世代の方が熱心な傾向

現在、FXに取り組んでいる人を対象に検証・練習を行っているか質問したところ、検証と練習の両方行っている人が18.9%、検証のみ行っている人が51.3%、練習のみ行っている人が12.4%でした。検証・練習のどちらも行っていない人は17.4%で、FXトレーダーの大半(82.6%)が検証・練習のいずれかを行っているという結果です。

次のグラフでは、この結果を年齢別に集計しました。

検証・練習のいずれかを行っている人の割合は、以下の通りです。

  • 20代:94.2%
  • 30代:84.7%
  • 40代:78.8%
  • 50代:74.0%
  • 60代以上:65.9%

20代は、9割を超える非常に高い割合となりました。若い世代の方が検証・練習を行っている人の割合が高い傾向があり、FXに丁寧に取り組む姿勢がうかがえます。

【参考情報】上級者・プロの9割が検証を実施

今回の質問対象者には、ご自身のFXスキルについても質問しています。スキルの定義は、以下でご確認ください。

開始直後:取引を開始し、基本的な知識を学んでいる。

初級者:取引経験があり、基本戦略を理解しているが、まだ安定した利益は得られていない。

中級者:資金管理と自己ルールを設定し、一定の利益を得ているが、年間で見るとプラスにはできていないことがある。

上級者:安定した利益を得ている。

プロ:安定した利益が生活費を大きく上回り、FXのみで生活することも可能。

検証・練習の実施状況をこのFXスキルで集計したのが、次のグラフです。

検証・練習のいずれかを行っている人の割合は、以下の通りです。

  • 開始直後:80.6%
  • 初級者:76.4%
  • 中級者:86.3%
  • 上級者・プロ:92.6%

このように、上級者・プロが最も高い割合で、中級者がこれに続くという結果となりました。なお、初級者は開始直後よりも下回っており、FXに少し慣れた頃に検証・練習のどちらも行わなくなる人が出やすいことが推測されます。

続いて、検証を行っている人の割合を集計すると以下のようになります。

  • 開始直後:66.7%
  • 初級者:57.8%
  • 中級者:76.8%
  • 上級者・プロ:91.2%

順位は先ほどと同じですが、上級者・プロの割合が9割を超えており非常に高いのが目立ちます。FXで利益を出すには検証が欠かせないといえるでしょう。

同様に、練習を行っている人の割合も見てみましょう。

  • 開始直後:18.3%
  • 初級者:34.2%
  • 中級者:36.9%
  • 上級者・プロ:28.0%

練習は、開始直後は少ないですが、初級者・中級者では大きく増え、上級者・プロでは減っていくという結果でした。このことからは、初級者・中級者とスキルを伸ばしていく段階で練習は必要ですが、一定レベルに達した人にとっては、重要性がやや下がるのかもしれません。

2.検証・練習にかける時間は週あたり30分~1時間未満が34.0%と最も多い

検証・練習にかける1週間あたりの時間は、最も多いのが30分~1時間未満で34.0%、続いて1時間~5時間未満で23.7%、10分~30分未満で14.7%という結果となりました。1週間に割く時間が1時間未満の人は57.7%と半数以上で、腰を据えて検証・練習に取り組むというよりは、スキマ時間などを活用しながら少しずつ取り組む人が多い印象です。一方で5時間以上の人は18.6%と、時間をかけて本格的に取り組んでいる人も一定数いることが分かります。

【参考情報】20代は短時間の人が5割以上

次のグラフは、検証・練習にかける時間の結果を年齢別に集計した結果です。

最も目立つのは20代で、「30分~1時間未満」が52.7%と極端に多いという結果です。同時に、5時間以上と長時間の人・30分未満と短時間の人は、ともに14.0%と限られています。20代は長時間の人も短時間の人も少なく、かける時間が中間的な人が多い印象です。

なお、30分未満と短時間の人の割合を集計すると、以下のようになります。

  • 20代:14.0%
  • 30代:19.1%
  • 40代:28.0%
  • 50代:45.8%
  • 60代以上:38.1%

20代が最も少なく、年齢とともに徐々に上昇していく傾向が見て取れます。ただし、50代の割合は他世代と比べて突出して高く、60代以上を上回っています。

同様に、5時間以上と長時間の人の割合も見てみましょう。

  • 20代:14.0%
  • 30代:23.4%
  • 40代:26.3%
  • 50代:14.3%
  • 60代以上:4.8%

結果は40代が最も高く、僅差で30代という結果となりました。検証・練習に長時間をかけて本格的に取り組んでいる人は30代・40代に多い傾向が読み取れます。

3.検証・練習の専用ツールを使用している人が73.0%、20代では使用率が93.5%に上る

FXの検証・練習における専用ツールの使用状況を調査したところ、73.0%がツールを使用しているという結果になりました。検証・練習を行う際には、専用ツールを使用するのが主流といえそうです。

続いて、この結果を年齢別に集計した結果です。

ツールを使用している人が最も多いのは20代で、93.5%という非常に高い割合となりました。これに30代が78.7%、40代が75.4%で続くという結果です。若い世代の方がデジタルツールに強いと考えられますが、これがツールの使用率にも影響しているのかもしれません。

なお、基本的に上の世代ほどツールの使用率は下がる傾向が読み取れますが、50代は28.6%と60代以上の47.6%を大きく下回っています。これには50代は感覚的に投資を行う人が多いという、世代的な特徴が関係している可能性があります。

4.大半の人が検証・練習の効果を実感、若い世代の方が大きな効果を感じる傾向

  • FXスキルの向上を感じている:85.0%
  • 収益の増加を感じている:83.0%

この結果からは、検証・練習を行っている人の大半が効果を実感していることが分かります。ただし、収益の増加を”強く”感じている人は38.7%で、スキル向上を”強く”感じている人の44.7%を下回っており、スキル向上ほど収益増加を強くは実感していない人も、一部存在しているようです。

次に、検証・練習の効果に関する結果を年齢別に整理したグラフです。

FXのスキル向上を感じている人の割合は、以下の通りです。

  • 20代:91.4%
  • 30代:92.5%
  • 40代:77.2%
  • 50代:68.5%
  • 60代以上:71.4%

また、収益の増加を感じている人の割合は、以下の通りです。

  • 20代:93.5%
  • 30代:90.4%
  • 40代:75.5%
  • 50代:65.7%
  • 60代以上:52.3%

FXスキルの向上・収益の増加のグラフとともに20代・30代が9割を超える高い割合となっており、若い世代ほど効果を感じやすい傾向が読み取れます。若い人はデジタルツールを上手に利活用しながら、効率良くFXに取り組めていることが関係していると推測できます。

なお、スキル向上を感じている人が最も少ない世代は50代です。50代は収益増加を感じている人は60代以上よりも高い割合となっていますが、収益増加を”強く”感じている人の割合は14.3%で、最も低い割合となっています。

50代は、検証・練習にかける時間が30分未満と短時間の人が最も多く、ツール使用率は最も低い世代です。こういった点が、検証・練習による効果の低さに影響していることが推測されます。

まとめ

今回の調査結果をまとめると以下の通りです。

  • 82.6%のFXトレーダーが検証・練習に取り組んでおり、週あたり1時間前後の時間を割く人が多い
  • 検証・練習に取り組んでいる人の73.0%が、専用ツールを使用している
  • 若い世代の方が検証・練習に取り組む人が多く、専用ツールを使用している人も多い
  • 8割以上が検証・練習によってスキル向上や収益増加を感じており、20代・30代では9割を超える

以上の結果からは、FXの検証・練習がスキルや成績にプラスの効果があるといえそうです。また、検証・練習に長時間をかけるのではなく、ツールを使いながら効率良く行っている人が多いことも見えてきました。

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