アオリイカの「産卵床」作る 富山県の滑川高海洋科、漁協若手漁師の漁場改善に協力

竹などをビニールひもで束ね、「産卵床」を作る生徒と青年部役員

 資源増殖や船舶を学ぶ富山県の滑川高校海洋科3年生20人が23日、滑川漁業協同組合の青壮年部と協力し、滑川漁港で魚介類が卵を産み付けるための「産卵床」を作った。青壮年部が漁場環境の改善やアオリイカの産卵を目標に昨年始めた取り組みで、今年から滑川高が協力する。完成品は生徒らが29日に沖合50メートル前後、水深8~10メートルの海底へ沈める予定。

 青壮年部は昨年、魚介類が卵を産む藻場を再現した産卵床の設置を企画。若手漁師の漁業への関心を高める狙いもあり、釣り人の間で人気が高く、滑川では専門に扱う漁師がいないアオリイカの産卵を目標とする。昨年は廃材で作ったものを海に沈め、コウイカが卵を産み付ける成果があった。

 青壮年部の笹木雄介部長が、滑川高海洋科の前身である海洋高校の卒業生である縁から同校に連携を提案した。

 23日は生徒が青年部の役員6人に教わりながら産卵床を作った。材料は前日に市内の山あいで伐採した長さ2メートルの竹やヒサカキ、シラカシを使い、ビニールひもで束ねた。

 海洋科の松田大和さんは「今回の取り組みを機にアオリイカの資源量が増え、海が豊かになればうれしい」と言い、笹木部長は「1回きりではもったいないので毎年続けたい。若い人が漁業に興味を持つきっかけにしたい」と話した。

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