南陽産米使用、10年の節目 漆山地区・都内ホテル関係者、田植え

自動運転田植え機の実演も行われた田植えイベント=南陽市漆山

 東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」にある日本料理店が南陽市漆山地区産の特別栽培米「つや姫」を仕入れてから10年になるのに合わせ、同地区で23日、田植えイベントが開かれた。関係者が手植えし、自動運転田植え機の実演も行われた。

 同ホテルの日本料理店「旬房(しゅんぼう)」は2015年から漆山地区で契約栽培されたコメを「旬房米」と名付け、年間3トンほどを仕入れている。田んぼは、おりはた環境保全協議会(長沢武右衛門会長)のメンバー、黒沢信彦・黒沢ファーム社長が管理。この日は同ホテルのアンドレアス・フックス総料理長らが参加し、広さ1ヘクタールの田んぼの一部につや姫の苗を植えた。

 同ホテルで和食統括を担う根笹卓也副総料理長は、黒沢社長を通じてこだわりのコメを使う筋道を立てた張本人で、この日の田植えにも加わった。「食材がどこで育ち、どんな人が育てているのかを知りたがるお客さんは年々増えている」と話し、旬房米目当てのリピーターもいるという。

 節目の田植えイベントに合わせ、クボタが最新鋭の田植え機を走らせた。農作業の効率化につながる無人田植え機の様子を多くの参加者が興味深く見ていた。

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